橋本大輝、高校1年で金の片鱗「なんだ、この子は!」恩師驚く

[ 2021年8月4日 05:30 ]

東京五輪第12日 体操 ( 2021年8月3日    有明体操競技場 )

練習に励む市船橋高時代の橋本
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 28日の個人総合に続き、種目別決勝の鉄棒も制した橋本大輝(19=順大)は強じんな意志で成長し、一気に世界のトップに躍り出た。

 千葉・佐原中3年時の全国中学校大会は、左足骨折の影響もあって個人総合で2種目のみの演技で最下位。全国的には無名の存在だったが、同大会で優勝、2位、6位の選手が入学する市船橋高への進学を決断した。「試合に出られるかどうか分からないけど、市船に行きたい」。名門で腕を磨き、逆襲すると誓っていた。

 同校1年時の国体は補欠でチームに同行。レギュラーのメンバーがサブ会場でウオーミングアップをしている時に、神田真司総監督(62)は声を掛けた。「練習、やっとけよ」。橋本は床運動から鉄棒まで、本番さながらの個人総合をノーミスで完遂。「補欠で試合にも出ないのに、普通はあんなにやれないよ。なんだ、この子は!と思った」と神田総監督は振り返る。

 高校3年で初めて日の丸を背負った19年世界選手権。団体総合決勝の最終種目・床運動に、橋本は優勝が厳しい状況で出番が回ってきた。途中、尻もちをつくミスがあり、演技後は号泣。勝てなくて、悔しくて、涙が止まらなかった。「あいつはねえ、ほんとに諦めないんだよ」と神田総監督。熱いハートが、東京での2冠を現実にした。

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2021年8月4日のニュース