レスリング・川井友香子 リオの姉・梨紗子に続き、日本初の姉妹で五輪金メダリストに!

[ 2021年8月4日 21:28 ]

東京五輪第13日 レスリング女子フリースタイル62キロ級 ( 2020年8月4日    幕張メッセ )

<東京五輪 レスリング 女子フリースタイル62キロ級決勝>スタンドの姉・梨紗子に向かって金メダルを手に笑顔を見せる川井友香子(撮影・北條 貴史)
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 レスリング女子フリースタイル62キロ級の川井友香子(23=ジャパンビバレッジ)が、決勝でアイスルー・ティニベコワ(キルギス)を破り、金メダルを獲得した。姉の梨紗子は16年リオデジャネイロ五輪の63キロ級の覇者。伊調姉妹も達成できなかった姉妹で五輪の金メダリストとなった。

 初戦はテクニカルフォールで圧倒し、2回戦と準決勝はともに逆転勝ち。とりわけ準決勝ではかつて黒星を喫したユセイン(ブルガリア)を下し、勢いに乗った。決勝の相手は19年世界選手権を制した強豪だったが、見事に退けて頂点に立った。

 川井は「ホント、ホントに夢見たいです。ずっと憧れていた舞台で金メダルをとれて、ホントに嬉しいです」と笑みを浮かべる。日の丸を持ってマットを1周。「ずっとこれがしたかったけど、今まで2位、3位ばっかりで…。やっとできて嬉しいです。最高の1日になりました」と喜んだ。

 両親、3姉妹ともにレスリングで頂点を目指したレスラー一家だ。友香子は、姉の梨紗子を追いかける形で競技を始め、才能を伸ばした。16年のリオデジャネイロ五輪で、姉が金メダルを獲得した際は現地で応援。次は自分も、との思いを強くし、成長した。姉が3連覇を達成した世界選手権では、18年が銀、19年が銅メダルと悔しい結果となったが、東京五輪に向けて着実に力を付けた。

 レスリングで姉妹同時の五輪代表は04年アテネ、08年北京両五輪で姉の伊調千春、妹の馨以来。五輪代表が決まった19年の世界選手権では、姉と涙ながらに抱き合った。「ここまで来るのにいろいろなことがあって苦しかったけど、本当に何年も前から、自分が高校生の時から、ずっと2人で口にしてきた目標をかなえることができて本当にうれしい」。元日本代表の母・初江さんの支えも大きく、恩返しは東京五輪のメダルしかない、と決めていた。それだけに「ケガして手術した時も支えてくれて、結果で恩返しできてなかったけど、やっと恩返しできた」と目を潤ませた。

 妹に続くべく、姉は5日に57キロ級の決勝に挑む。姉妹での同一大会五輪金メダルへ─。「あした梨紗子の決勝が残ってる。いい形でつなげられました」。まだ戦いは終わっていない。残された仕事はスタンドから精いっぱい、姉にエールを送ることだ。


 ◆川井友香子(かわい・ゆかこ)1997年(平9)8月27日生まれ、石川県津幡町出身。津幡中―至学館高―至学館大。両親は元レスラーで、元日本代表の母・初江さんがコーチを務めていた金沢ジュニアで、姉・梨紗子に続いて競技を始める。3姉妹の次女で、三女・優梨子もレスラー。18年U―23世界選手権で金メダル、世界選手権で銀メダル。

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