女子バスケ五輪初の4強 身長差を埋めた3点シュートへの意識 逆転3Pの林「打った瞬間に入ると」

[ 2021年8月4日 21:37 ]

東京五輪第13日 女子バスケットボール準々決勝   日本86ー85ベルギー ( 2021年8月4日    さいたまスーパーアリーナ )

劇的な勝利を収めた女子バスケットボールの日本代表(AP)
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 世界ランク10位の日本が準々決勝で同6位のベルギーに86―85で競り勝ち、初の4強進出を決めた。第4Q残り15・2秒で林咲希(26=ENEOS)が3点シュートを決める劇的勝利。チームは最大の武器である3点シュートを14本成功と量産して、76年モントリオール五輪の5位を超える最高成績を確定させた。6日の準決勝はフランスと対戦する。

 歴史を変える放物線が描かれた。2点を追う第4Q残り15・2秒、林が町田からのパスを受けてシュートフェイントでマークを外すと、ステップバック。3点シュートのエリアまで下がり、ほぼ正面からリングを射抜いた。「ドライブの選択肢はなかった。自然な流れで打てた。打った瞬間に入ると思った」。終了間際にベルギーのシュートがリングに嫌われると、初の4強を告げるブザーが鳴った。

 ジャパンズウェイを貫いた。日本の平均身長1メートル76は出場12チームで2番目に低い。高さの不利を補う生命線が外からのシュートだ。この日の3点シュート試投数33本は相手を10本も上回り、成功率も44%を記録。第3Qで一時13点のリードを許したが、第4Qだけで5本の3点シュートを沈めて土壇場で逆転に成功した。3点シュート7本を決めてチーム最多21得点の宮沢は「自分達には3点シュートがある。絶対に流れは来ると思っていた」と振り返った。

 準々決勝までの4試合終了時の3点シュート試投数137本は、2位オーストラリアの107本を上回るトップ。3点シュートを除く大半の得点がゴール下のペイントエリア内から生まれているのも特徴だ。この日の試合で中間の「ロング2」の試投数3本で成功は1本だけ。ホーバス監督は「長い距離の2点シュートは良くない」と極力避けるように指示している。

 チームでシューティング練習をする時間は短いが、全体練習の前後に各自が自主トレを実施。平均で30~40分程度、1時間近く打ち続ける選手も多く、コーチ陣から「もう帰った方がいい」と言われることも多々ある。今大会は身長1メートル93のエース渡嘉敷が故障でメンバー落ち。ポイントガードの町田は「渡嘉敷さんがいない分、逆にこのメンバーでしかできないバスケになっている」と指摘する。高田主将は「目標は金メダル。次、勝つことが条件になる」と力を込めた。準決勝進出は通過点。黄金の輝きまで歩みは止めない。

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