北口メダルいける!女子やり投げ57年ぶり決勝進出は余裕の全体6位「決勝も気持ちよく投げたい」

[ 2021年8月4日 05:30 ]

東京五輪第12日陸上女子やり投げ予選 ( 2021年8月3日    国立競技場 )

<女子やり投げ予選>3投目に臨む北口(撮影・会津 智海)
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 女子やり投げの北口榛花(23=JAL)は予選で62メートル06をマークし、同種目の日本勢では64年東京大会以来、57年ぶりに決勝に進出した。

 スロースターターを自覚するからこそ、1投目での快記録に思わず跳びはねた。北口は「行きまーす!」の掛け声とともに助走開始。全ての力をやりに込め、シーズンベストとなる62メートル06をマーク。2、3投目は記録を伸ばせなかったが、無事に全体6番目の記録で決勝進出を決めると、再び小躍りして喜んだ。

 「アナウンスでちゃんと残ったと分かった。(他選手の試技を)見ていたのに意味がなかった。この記録で残れるか不安だったので、ひとまず安心した」。2年前の世界選手権は、わずか6センチ届かずに予選落ち。その時の悪夢が脳裏をかすめたが、予選落ちとなる13位の記録を1メートル28上回る余裕の通過だった。

 2年前からやり投げ大国チェコ出身のデービッド・セケラック・コーチの指導を受けるが、コロナ禍の昨年は3月に緊急帰国。国内で“通信教育”を受けたが、チェコ語の習熟不足で指示とは違う練習をしていたこともあった。年が明けてようやく直接指導を受けられるようになり、今大会は同コーチが来日。「とにかく速く走れと言われた。凄くしつこく」と予選直前のやりとりを笑って明かし課題を克服する助走が快記録を運んだ。

 同種目では57年前の東京五輪の佐藤弘子、片山美佐子以来の決勝進出。「ちょっと前すぎて分からない…」と苦笑いした北口だが、目標は予選突破ではない。「ずっとメダル獲得を目標にしてきた。ぶらさずに決勝も1投目から気持ちよく投げたい」。日本勢の最高成績は32年ロサンゼルス五輪、真保正子の4位。歴史を塗り替え、自分自身の笑顔のように輝くメダルを手に入れる。

 ◇北口 榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日生まれ、北海道旭川市出身の23歳。旭川東高校で陸上を始めるまで、バドミントン、競泳でも活躍した。日大に進学し、19年からチェコ人コーチのセケラック氏に師事。同年に2度日本記録を更新した。自己ベストは66メートル00。スイーツ好き。1メートル79。

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2021年8月4日のニュース