登坂、五輪連覇消えた 須崎に完敗 今後は「ゆっくり決めたい」

[ 2019年12月22日 05:30 ]

レスリング 全日本選手権第3日 ( 2019年12月21日    東京・駒沢体育館 )

レスリング全日本選手権準決勝で須崎(右)に場外へ押し出される登坂(撮影・久冨木 修)
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 東京五輪代表選考を兼ねて行われ、女子50キロ級は16年リオ五輪金メダルの登坂絵莉(26=東新住建)が準決勝で敗れ、五輪出場が消滅した。世界選手権で出場枠を獲得した女子68キロ級の土性沙羅(25=東新住建)と男子フリー74キロ級の奥井真生(24=自衛隊)は決勝に進めず、2月1日の代表決定プレーオフに回ることとなった。五輪実施階級の決勝は同86キロ級の高谷惣亮(30=ALSOK)らが制し、五輪アジア予選の出場権を得た。

 17、18年の世界女王、須崎から1点も奪うことができずに、登坂の挑戦が終わった。世界選手権代表を逃した6月の全日本選抜後は泣きじゃくったが、この日は目を真っ赤にしながらも冷静に取材に応じた。「そうですね、うん。終わったな、という感じです」。それでも最後は声が震えた。

 リオ五輪金メダル獲得後は苦難の道のりだった。17年1月に左足親指付近を手術。復帰後も左膝や左足首を負傷し、満足に練習できない日が続いた。須崎、世界選手権代表の入江ゆきとの“三つ巴”と呼ばれてきたが「リオ後は自分が常に3番手で遅れていた」。6月も心のどこかで「勝てると思っていなかった」という。

 9月の世界選手権で入江が出場枠を獲得することなく敗れ、再び巡ってきたチャンス。動揺はあった。「諦めていたし(入江に)純粋に勝ってほしいと応援していたので」。それでも目標を見失った日々がつらかっただけに、すぐに切り替えた。全てを出し切り「この3カ月は目標に向かえる幸せを感じた。リオの時の気持ちに戻ってやれました」と視線を上げた。

 今後については「東京を見てどう感じるか。それも含めてゆっくり決めたい」とだけ話した。日本女子レスリング界を支えてきた26歳が、一つの区切りを迎えた。

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