高橋大輔は204・31点「僕らしい終わり方」完全燃焼のラストダンス

[ 2019年12月22日 19:19 ]

フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2019年12月22日    東京・国立代々木競技場 )

<フィギュア全日本選手権第4日>男子フリー、演技を終えた高橋大輔は長光コーチに花束を渡し抱き合う(撮影・小海途 良幹)
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男子フリーが行われ、今大会を最後にアイスダンスに転向する高橋大輔(関大KFSC)は138・36点をマーク。合計を204・31点とし、シングルのラストダンスを終えた。

 トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が乱れるなど、ミスも出たが、33歳が懸命に舞った。「最後にふがいない演技で、申し訳ないし、悔しい」。演技中も演技後も大声援と温かい拍手を浴び、得点が出る前は“大ちゃんコール”も巻き起こった。「きょうまで、シングルが最後というのが大きなものじゃなかったけど、温かい拍手をもらえて、シングル引退という実感がわいて、喋ってるとウルっとしてしまう」。目は潤み、少し声は震えていた。

 ソチ五輪後の14年10月、現役引退を発表し、昨季再び現役に復帰した。復帰後は思い通りにいかなかったことの方が圧倒的に多い。今大会に向けても、10月末に左足首を痛めて、理想の調整にはほど遠かった。「ほんとだったら恥ずかしくてできないだろうなって中で戦った。プライドを捨てて人前で滑るのは、昔ならできなかった」と吐露した。

 女子がスポットライトを浴びることが多かった時代から奮闘。自らの演技で、成績で、男子の注目度を上げてきた。10年バンクーバー五輪銅メダルは日本男子初の五輪表彰台。GPファイナル、世界選手権の優勝も最初に成し遂げたのは高橋だった。

 05年に全日本を初めて制した国立代々木競技場で、シングルに別れを告げた。「いい意味でスッキリした全日本は初めて。一番、良くなかったけど、それも僕らしい終わり方」。来年から村元哉中と組んで舞う。高橋がシングルで残した記憶も、記録も色あせない。そして、アイスダンスで新たな伝説を刻んでいく。

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