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こだわり旬の旅

【愛媛・南予】町並みだけじゃない 大人もハマる内子のおもてなし

[ 2016年4月6日 05:30 ]

大正ロマンを感じさせる内子町の町並
Photo By スポニチ

 愛媛県では南部の南予地域で「えひめいやしの南予博2016」を11月20日まで開催中。宇和島市や内子町など10市町で約270のさまざまなイベントが楽しめるもので、南予の魅力を満喫するにはもってこい。WEBでは南予ファンの拡大を図るため「えひめ南予通信大学」という通信講座も開講予定(4月20日)で、学生に戻った気分で南予路を歩いた。

 270ものイベントの旗艦イベントとして4月23日夜に開催されるのが、内子町の重要文化財・上芳我邸を1日レストランにして行われるプレミアムダイニング(1人税込1万円)。ジャズの生演奏を聴きながらイタリアンを楽しむものだが、同町は明治期に木蝋(もくろう)で栄えた町。同邸はその木蝋生産で財を成した本芳我家(重要文化財)の筆頭分家のプレミアムな屋敷で、現在木蝋資料館(入館料500円)になっている。

 JR予讃線松山駅から特急電車で約25分。内子駅から約20分歩くと、上芳我邸や本芳我家が並ぶ重要伝統的建造物群の保存地区だ。旧街道沿いの南北約600メートルにわたり91棟。明治期から大正期の建物ばかりで、住宅街に竹工芸店や左官店、旅館、レストラン、みそ醤油店などが混じるが、浅黄色の漆喰で塗り込まれた外壁がロマンチックな雰囲気を醸し出す。

 同駅に戻る途中右折すると、創建100周年を迎えた重要文化財の内子座がある。芳我家など商家のだんな衆によって建てられた芝居小屋で、木造2階建て瓦葺き入り母屋造りが目を引く。回り舞台や花道、枡席などを備えており、今年は100周年記念特別公演として立川志の輔独演会(4月29日)や東西狂言の競演(10月29、30日)などを開催。4月下旬~11月には、100年前の生業を表して当時の町並を再現する「内子時代祭」も実施される。

 そんな中で、9年前から内子町の観光に愛情をそそぐのが「内子手しごとの会」。山本鉄工所社長の山本勝美さんを会長に伝統工芸職人、居酒屋やスナック、グリーンツーリズムの宿の経営者など28個人・団体で構成される町興しグループだ。

 造り酒屋を改造した建物が本部で、メンバーが考案したアイデア商品などを販売。同時に輪ゴム鉄砲や紙相撲、指相撲などのゲーム(無料)や和服のレンタル(1日3300円)を楽しんでもらっている。「宿は1泊朝食付きで夜は居酒屋などで食事。翌日は和服を着たりここで遊んでもらって、客を内子から帰さないのが狙い」と笑う山本さん。輪ゴム鉄砲は10連発、紙相撲の土俵は10万円のものもあるなど、大人もはまりそうな“おもてなし”に本気度がうかがえた。

 ▽行かれる方へ 車は松山道松山ICから約25分。問い合わせは内子町ビジターセンター=(電)0893(44)3790、えひめいやしの南予博実行委員会=(電)0895(23)5311。

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