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こだわり旬の旅

【静岡・浜松】渋くてやさしい…全て手作業の掛川手織葛布

[ 2017年4月2日 05:33 ]

小崎葛布工芸の店内に並ぶ葛布製品と小崎社長                    
Photo By スポニチ

 掛川城のそばで珍しい店を発見した。完成まですべて手作業で織り上げる掛川手織葛布(くずふ)の専門店「小崎葛布(かっぷ)工芸」。鎌倉時代から続く伝統を守る、現存する3軒の織元の1つだ。葛布とは、山野に自生する秋の七草の一つ、葛の繊維を織り上げた布のことで、掛川のそれは優雅さと、絹や麻にないやさしさ、落ち着いた渋みのある光沢を兼ね備えているのが特徴。その風合いはふすま紙や壁紙、カーテン地のほかバッグ、財布、扇子など各種小物類などに利用されている。

 葛の香漂う店内では趣向を凝らした品々が約100品目販売されており、見ているだけでも楽しい。「葛つる10キロから100グラムしかできないのが葛布。商売的に難しいのも事実で、後継者をどう育てるかが課題」と小崎隆志社長は言うが、いつまでも残ってほしい伝統工芸だ。(電)0573(24)2222。

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