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人工餌「KTK」奏功 45センチ級メジナ!

[ 2019年1月5日 07:16 ]

食ってくれよ…の願いが通じて「KTK」で45センチ級のメジナを釣った筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】全国各地の磯や防波堤で魚がよく釣れるのは、間違いなく、オキアミの存在とまき餌のおかげです。

 クロダイもメジナもアジもイワシもカワハギまで、実際には彼らの棲息地域には存在しないこのオキアミを好んで捕食します。

 もはや磯釣りでの付け餌として当たり前のオキアミですが、実は万能ではないということも分かっています。

 甲殻類であるために物性が弱く、ターゲットとしない魚たち、いわゆる餌取りたちにつつかれると、気がつかないうちに食べられてしまいます。「餌が持たない」、そう表現され、諦めに近い状況になることも多々ありますね。それに対応する餌をマルキユーが研究開発しています。

 今回はその実験、証明をするために同社の長岡寛さんと武内俊さんとともに静岡県伊豆田子へ磯釣りに行ってきました。

 今季はまだ水温が高いそうで、餌取りもまだたくさんいるとのことでした。私は釣れればなんでもありなのですが、渡船に乗って沖磯に行くのは久しぶりで願わくばメジナを釣りたいという希望はありました。

 早朝は富士山も見えてとても清々(すがすが)しい環境でした。磯の上は船釣りとは全く異なる環境。ポイントも、仕掛けも投入場所も、全部自分たちで決めなくてはなりません。

 そして打ち寄せる波、安全な場所へと上がっても緊張感が漂います。これぞ男の釣りという冒険的な釣りでもあります。

 釣り始めて早速、武内さんにヒットしたのはメジナ。46センチという良型でした。これには標識を打ってリリースしました。

 「おお、いきなり。」と思って期待していたら、その後は餌取りにやられ、オキアミでは全く歯が立ちませんでした。

 そこで開発中の「KTK」(仮称)という人工餌に切り替えました。マルキユーではすでにパワーイソメなど、生分解性の食わせ餌を発売し、大ヒットしています。同じ科学の論理でウキ釣りに使うオキアミよりも釣れる餌の開発がこれなのです。「食ってくれよ」という願いを込めた頭文字のKTKです。極太のスパゲティのような形状でこれを細かく切ってハリに3〜4個刺します。

 KTKに替えると、すぐにアイゴがヒットしました。餌取りの主はこいつだったのでしょうか?3人とも立て続けにヒットし、みんな30〜40センチぐらいでしたので、よく引いて楽しめました。試しにオキアミに替えてみると瞬殺でした。やはりこのKTKならではの結果なのでしょうか。

 午後になり時合が来ました。長岡さんが45センチ級メジナを連発、続いて私にもヒットしました。先ほどのアイゴとは全く違う強烈な締め込みでした。また船のようにクッションはありませんから、磯についた足にもダイレクトに引きが伝わります。リールのスプールを左手で押さえながらポンピングして、取り込んだのはやはり45センチ級のメジナでした。

 三宅島で尾長グレと呼ばれるクロメジナを結構釣っていたのですが、今回の口太メジナの引きにはしびれました。その後3人で好調にメジナを釣り上げ、KTKの効果絶大なことを垣間見ることができました。これら全てをタグ&リリースしましたので、再捕獲される日が楽しみです。(東京海洋大学客員教授)

 【動画も見てね】この日の釣りは動画にアップしてあります。「YouTube→奥山文弥→KTK」で検索してご覧ください。

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