宮川花子「決して遺作品ではありません」 闘病記出版「これからの自分の希望を載せた本」

[ 2022年2月3日 12:33 ]

「あせらず、あわてず、あきらめず」を出版した宮川花子(左)と夫の大助

 夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」の宮川花子(67)は3日、自身の闘病記「あわてず、あせらず、あきらめず」(主婦の友社)の出版記念オンライン会見に出演。「こういう形で本を出せるとは思ってなかったのでうれしい。でも、決して遺作品ではありません。これからの自分の希望を載せた本です。薬とともに日進月歩で闘っていきたい。あきらめずこれからも生きていきたい」と語った。同席した夫の大助(72)は「難病や、がんと闘っている方もたくさんおられます。その人たちの支え、ヒントになればと嫁は一生懸命つづったと思います」と涙ながらに話した。

 花子は18年3月に「多発性骨髄腫」と診断された。神経が麻痺して下半身が動かなくなるなど異常が続き、病院で治療を始めた。19年12月に闘病中であることを公表。だが、最初は鉛筆も箸も持てず、リクライニング式の車イスを使用していたほど。薬やリハビリの甲斐あって、最近は週1回通院治療しながらフロ、トイレには自分で行けるようになり、自宅2階にも1人で上がれるようになった。「毎日の楽しみは、韓流ドラマを観ながら手芸すること」。お笑い番組もよく観るそうで「M―1も勝手に審査して。錦鯉の優勝を観て泣いたわ。オズワルドは陰気に出過ぎたかな」とレジェンド芸人の魂は失っていない。

 「福を招き入れる」ために1月31日の発売日でなく節分の日の3日を選択した。着想から出版まで「1年半かかった」と花子。執筆に協力してくれた脚本の先生は1年前にすい臓がんで亡くなったため「あとの1年は先生の奥さんと一緒に書いた」。最後の1ページは「自分で付け加えさせていただきました。それが今の自分の心境はそこにある」と出版秘話も明かした。

 昨年12月、奈良・生駒で2年半ぶりに舞台復帰。30分間、舞台上でトークショーを開いた。「あんな幸せなことなかった」と花子。「テンションが上がって、3日間寝込みました」と大助も苦笑いだ。だが、「歩いてセンターマイクまで行って、10分、15分の漫才は不可能。日々、体調が変わるので講演とかも約束できない」というのが現状。それでも「NGKの舞台に立つのは遠い夢だけど」とし「センターマイクの前に2人で立ちたい」と夫婦での夢を叶えたい。

 【多発性骨髄腫】 血液細胞の1つ「形質細胞」のがんが骨髄の中で増え続けるもの。正常な血液細胞をつくる過程が妨げられ、さまざまな臓器が機能低下するなどの症状を引き起こす。病形質細胞腫瘍の中では最も患者数が多い。

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2022年2月3日のニュース