西島秀俊「真っ暗な中で戦闘し続けた」 緊迫の「空母いぶき」撮影振り返る

[ 2019年4月22日 20:23 ]

映画「空母いぶき」完成披露試写会舞台あいさつに出席した西島秀俊(左)と佐々木蔵之介
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 俳優の西島秀俊(48)、佐々木蔵之介(51)らが22日、都内で行われた映画「空母いぶき」(5月24日公開、監督若松節朗)完成披露試写会の取材会に出席した。

 20XX年。国籍不明の軍事勢力から突如、攻撃を受けた日本。「平和を終わらせないために」命がけの任務に当たる自衛官たちと究極の選択を迫られる政府の24時間の物語が描かれている。

 空母いぶきの艦長・秋津竜太1佐を演じた西島らは、基地や護衛艦の見学、航空自衛隊と海上自衛隊のパイロットに話を聞いて、役作りに臨んだという。西島は「秋津は特殊な人間。これからどうなるかわからない状況でも、この男だけは未来を見通していて、最前線の人間に命令を下す責任を背負っている。それに(空自、海自の方々の聞いた)リアルな気質だったり、気持ちだったりを併せて役を作っていった」と話した。

 一方、秋津艦長を支える副艦長・新浪歳也2佐役の佐々木は「(秋津と新浪の)二人が対照的に見えたら映画として面白いと思って…。秋津は3歩、4歩先を見通して結論だけを言う。僕(新浪)はそのときの気持ち熱込めて言うような感じにしようと思ってやりました。自分の中では命を大切にする、これは自衛官、もちろん日本国民だけでなく、今回出てくる東和連邦という敵国の命も同じだという考えのもと、役を作れたらと思った」。

 撮影は「僕たちからするとかなりキツい状況だった」と話す西島。「普通、ワンシーン撮り終わったら10分とか休憩してください、とか言われるんですけど、させてくれないんですよ。すぐ次、すぐ次、って」と笑う。

 朝、現場に入り、昼休みはあるものの、「それ以外はずっとセットの真っ暗な中で戦闘し続けたんですよ。たぶん監督はわざと、そうしていて。緊張感を切らせないという」のが狙いだったのではないかと話す。「ひたすら戦闘シーンと戦況がますます悪くなっていく中で、これをどう打破するかと議論するシーン。すばらしい演出」とし、「今回の映画の緊迫感はそこから生まれているんじゃないかと思います」。

 佐々木は「監督も興奮して秋田弁が出ていた」と暴露。若松監督は「でも、西島さんも、蔵之介さんも差し入れほとんど食べてないですね。ああ、食べてくれなければいいのにな、とずっと僕は思っていたんですけど。さすが素晴らしい俳優さんたちで。一切、手をつけないで頑張っていた」と緊迫した雰囲気を二人が率先して盛り上げていたことを明かした。

 しかし、実際は「セットを出る暇がなかった。セットを出てもまたいっぱいまで作っているんで、スペースないんですよ。真っ暗だし。電気ついていないんですよね」と西島が苦笑いを浮かべた。

 原作は「沈黙の艦隊」「ジパング」などヒット作で知られる、かわぐちかいじ氏の同名コミック。映画化に当たって、日々変わりゆく昨今の国際情勢をふまえ、オリジナルの設定と展開も加え、決して遠くない未来の1日を描いた。

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2019年4月22日のニュース