ポニーリーグ

関西選抜で躍動!金城和来のでっかい夢 いつかは「メジャーリーガーになりたい」日本代表選出を自信に

[ 2022年5月31日 05:30 ]

日本代表に選出された金城和来、夢は大きくメジャーリーグだ
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 ◆月刊ポニーリーグ5月号

 5月4、5日に首都圏で開催された「2022美津和タイガーインビテーション 広澤克実杯全日本地域対抗選手権大会兼日本代表選手選考会」を特集する。関西選抜はコルトの部、ポニーの部でそれぞれ1勝ずつをマーク。日本代表には京都の金城和来(きんじょう・わく)内野手が選出された。

 持ち前の強打で、日本代表の座を勝ち取った。コルトの部で2試合に出場し、6打数3安打2打点。右のスラッガー、京都の金城が、関西選抜からただ一人選出された。

 「いつもと比べて対戦相手のレベルが高かったので、その分、野球を楽しもうと思いました。すごく良い経験ができたので、これからの野球人生に生かしたいと思います」

 木製バットも、苦にしなかった。ハイライトは九州選抜戦の第1打席。同じく日本代表に選ばれた佐賀ビクトリーの好投手・右近琳太郎から、内角直球に振り負けず中堅への二塁打を放った。2試合目となった北東北選抜戦では2本のタイムリー。4番としての役割を果たした。

 「大きな夢ですが、メジャーリーガーになりたいです。日本代表に選ばれたことを自信にして、これまで以上に頑張ります」

 1メートル77、86キロの堂々たる体格。左右の違いはあれど、京都の1学年先輩にあたる竹中清真(日本航空石川)から多くのことを学んできた。「軽く振っても打球が飛んでいく。野球に対する姿勢も教えていただきました」。今冬から春にかけては学校から帰宅してすぐに100スイング。夜はバッティングセンターでの打ち込みを行い、スイングの力強さを磨いてきた。

 チームとしては1勝1敗。決勝進出はならなかったが、田中正裕監督(兵庫神戸)は「年齢制限のこともあり全部で15人でしたが、普段は守っていないポジションを経験できたり、学ぶことは多かったはず。強いチームと試合をできたことも良かったです」と大会参加の意義を強調した。

 3年前まではわずか2チームだった関西連盟は、今春のリーグ戦に9チームが参加するまでに拡大した。21日から開幕したグランドチャンピオンシップトーナメント予選からは新たに、高松LTSが参戦。多くの仲間の代表として、金城が7月のワールドシリーズに挑む。

 《広澤氏「今後の人生に役立つ経験」》広澤克実理事長(本紙評論家)は3年ぶりの大会開催に感激の表情を浮かべた。

 「新型コロナウイルスの感染拡大で過去2年は中止せざるを得なかったことを思うと、開催できて本当に良かった。地区選抜が戦うのと同時に、日本代表を選出する大会。結果の良しあしはそれぞれにあったと思うが、このような緊張の場を味わうことはなかなかできない。それぞれが今後の人生に役立つ経験を積んでくれたと思っています」

 今大会における特色の一つが木製バットの採用だった。ポニーリーグではかねて国際基準の低反発バットを使用。ただ、一定数が市場へ流通していないこともあり、バットを入手しづらい背景があった。広澤氏は言う。

 「それなら、木製でやればどうかと。大会を見ていて思ったのは、ピッチャーの真っすぐが多くなった。芯を外す変化球ではなく、詰まらせる投球へと変わった。だから、自然と腕を振るようになる。相乗効果ですね」

 投高打低が想定された中でも、打者はコンパクトなスイングで対応。フェンスオーバーの本塁打も記録された。高野連も24年春に低反発バットへの完全移行を決定。投手戦が多かった今大会の試合内容は、数年後の高校野球を予見するものにもなった。

 《愛知稲沢の選手もいい経験》愛知稲沢の佐治靖生監督がポニーの部を率いた。北東北選抜戦では相手投手の制球難につけ込み、4安打で12得点を奪い大勝。敗れはしたが、強豪の九州選抜を相手に互角の戦いを演じた。「違うチームの選手たちと寝泊まりできたのは良い経験。いろんな地域のチームと試合をする中で、高いレベルの野球にも触れられたことは有意義だったと感じています」。愛知稲沢から選出された鯉江遼、竹内海人の2年生コンビにとっても、実りある大会となった。

 ◆参加資格 コルトの部は中学3年生の2007年4月1日から8月31日生まれまで。ポニーの部は07年9月1日以降に生まれた同3年生、2年生の全選手、同1年生の09年4月1日から8月31日生まれまで。各カテゴリーは発祥の地である米国のプログラムに基づいており、米国では2年制リーグを採用。ポニーは13~14歳、コルトは15~16歳となっている。

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