ポニーリーグ

高松LTS準優勝 リーグ戦参加初年度から快進撃 1球にかける集中力と一体感

[ 2022年12月13日 06:00 ]

高松LTS
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【月刊ポニーリーグ11月号】

 第7回全日本選抜大会関西予選(スポニチ本社後援)で、準優勝した高松LTSを特集する。11日に開催された愛知木曽川との決勝は6―9で敗れたが、リーグ戦参加初年度から快進撃。優勝した愛知木曽川は来春3月に沖縄で開催される本戦出場が決定的となった。

 ターニングポイントは兵庫神戸戦だった。5回を終了して、0―6。敗色濃厚の展開だったが、高松LTSナインは誰ひとりとして諦めてはいなかった。

 「予想していたゲーム展開とは全く違いました。打席での内容が良くなかったので、追い込まれてからの対応など助言して。イニングが進むにつれて、アドバイスしたことを実現できるようになっていきました」

 東風平光一監督が振り返ったように、潮目が変わったのは終盤以降だった。6回に3点を返すと、3点差を追う最終7回にも打線がつながり3得点を挙げて同点。最後は延長8回サヨナラで奇跡の逆転劇を演じると、続く奈良FOD戦、滋賀戦も大勝し5勝1敗の2位で決勝トーナメントに進んだ。準決勝の京都戦も5回コールド勝ち。加盟1年目とは思えない、堂々たる戦いぶりだった。

 今秋の関西予選では、準決勝までの7試合で59得点。強力打線に注目が集まるが、東風平監督の分析はやや異なっている。
 「春は守りができなかったですが、バッテリーを中心とした守備が安定してきたことが秋につながりました」

 5~6月にかけて参加したグランドチャンピオンシップトーナメント関西予選では3位に輝いた一方で、飛球の捕球ミスが目立つなど、3試合連続で2桁失点するもろさがあった。同大会以降は「取れるアウトは確実に取る」を徹底。1球に対する集中力を高めるため、キャッチボールの1球目をこれまで以上に意識させる取り組みを継続させた。

 もちろん、打撃練習でも工夫を凝らす。上意下達の打撃指導は一切なし。ただ、選手たちには「どういう打球を打ちたいのか」ということを、フリー打撃から考えさせる。その上で、10球のうち、2球はヒットエンドランを想定したスイングを敢行。「あまりに違うことをやっていたときだけ指導します」(同監督)というスタイルを取っている。

 山本遼太代表は四国ILの香川で捕手としてプレー。現役引退後には年1、2回のペースで渡米し、最先端の野球理論、トレーニング法を学んできた。元独立リーガーの東風平監督、元JR四国の寒川博志ヘッドコーチも理念を共有。オフ期間中には大リーグのジャイアンツ・植松泰良アシスタントコーチ、同ツインズ傘下1Aの三好貴士ベンチコーチ、選手、指導者として米国など世界6カ国で活躍した田久保賢植氏らからも指導を受ける機会がある。山本代表は言う。

 「高松の選手はみんな楽しそうだと言われる。みんな仲が良いですし、全員がゲームに入れているからこそ、誰が出ても活躍できるのだと思います」

 選手19人の一体感もまた、進撃の源だ。


 《愛知木曽川 大逆転で連覇》昨秋の関西王者・愛知木曽川が、大逆転で2連覇を飾った。守備のミスが重なり、2回までに6点を先行される苦しい立ち上がり。それでも小島爽輝(そうき)主将をはじめとするナインは、懸命に声を出し続けた。

 「しんどかったですけど、チーム全員がしっかり声を出せていた。先頭打者を出して、相手にゆさぶりをかけて1点、1点という気持ちでした」

 3回1死三塁から、小島の遊ゴロが失策を誘いまず1点。さらに市橋拓矢、青山レオにも適時打が生まれ、一気に1点差に詰め寄った。こうなると、試合の流れは愛知木曽川ペース。1点劣勢の5回には2死三塁から北浦広大の左前適時打で同点に追いつくと、石原悠真、吉岡真名人のタイムリーに重盗をからめ高松LTSを突き放した。

 投げては2回途中から救援した背番号1の北浦が3回からの3イニングを無失点に封じる好投。石原悠をはさみ、最終7回2死一塁から再びリリーフにたち試合を締めくくった。

 予選リーグから9戦全勝で2年連続となる選抜出場は決定的。小島主将は「一戦、一戦全力を尽くして一つでも多く勝ちたい」と意気込んだ。

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