大川カージナルス　合言葉は「優勝旗3本獲るぞ！」考えさせ答え引き出す…選手主体の指導に変えた近藤監督

「優勝旗3本獲るばい！」が合言葉の大川カージナルス
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【月刊ポニーリーグ3月号】

　大川カージナルスを特集する。自主性が浸透するチームの目標は、今春以降の主要3大会制覇。「優勝旗3本獲るぞ！」を合言葉に、白球を追いかけている。

　選手たちが自発的に発した言葉だからこそ、余計に目指す価値がある。大川カージナルスが今春から今夏にかけて掲げる目標とは――。白球を追うグラウンドには、きょうも合言葉が響き渡る。

　「優勝旗3本獲るばい！」　ターゲットに定めたのは九州連盟の主要公式戦である春季リーグ戦、ホークスカップ、そしてジャイアンツカップの3大会。強豪ひしめく九州において難題ではあるが、その分、やりがいがある。

　ポジティブに野球と向き合える背景には、近藤将隆監督による指導方針がある。

　「監督を引き受けさせていただいた当初は経験を伝えることに一生懸命だったのですが、数年前から“これではいけない”と考えるようになりました。こちらから質問をして、選手たちに何でもいいから自分たちの考えを話してもらう。そんなアプローチを心がけています」

　名門・久留米商のOB。内、外野をそつなくこなし、同校を卒業後もサニクリーン九州の軟式野球部に所属した。7年前の監督就任時は自らが経験した高度な技術を伝えることに熱心だったが、2、3年前からスタイルを一変。現在は選手たちに考えさせ、答えを引き出すことに重きを置いている。

　「3大会で優勝することはデカい目標ではありますが、自分たちで決めてくれたことが尊い。その目標に少しでも近づけるよう、サポートしていきたい」

　抜群のチームワークを誇る現チームにおいて、最も印象に残る試合は昨秋リーグ戦の久留米ボーイズ戦だ。6回に1点を勝ち越したが、ミスをきっかけに同点。最後は延長8回2死三塁から左前打を浴び、悔しいサヨナラ負けを喫した。

　「選手たちはあの試合を境に、今まで以上に一戦、一戦、一球、一球を大切にするようになりました」

　捕手で中軸を任される大城竜真は巧みなバットコントロールとインサイドワークが武器。4番を務める吉田凜久は徹底した下半身と股関節の強化で、春からは投手としての活躍も期待される。昨秋に好投したパワーピッチャーの元村大翔、変則サイドの白石遼も成長中。頼れるセンターラインを軸に、頂点へと駆ける。