ポニーリーグ

月刊ポニーリーグ5月号 株式会社大倉・清瀧静男氏 今後もサポート誓う「どんな子にもチャンスを」

[ 2021年5月25日 05:20 ]

用具提供をはじめ、ポニーリーグに惜しみない支援を続ける株式会社大倉の清滝静男代表取締役CEO兼COO
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 今季から始まった「ポニーファミリー サプライ用品給付制度」を支援する株式会社大倉の代表取締役CEO兼COOを務める清瀧静男氏(45)が本紙インタビューに応じ、ポニーリーグへの思いを明かした。自身も近大付では2度、夏の甲子園に出場。野球界への恩返しとして、今後も惜しみないサポートを誓った。

 ――今回の支援に対する思いとは。

 「道具を買えない子どもさんたちもいて、中にはそのことで野球を断念してしまうケースもあると。それなら、コロナの影響でSSKさんの野球用品が売れないということも耳にしたので、私が買った道具で思い切りプレーしてほしい、と。ポニーであれば貧しい子どもも裕福な子どもも同じだけチャンスがあるという考え方なので良かったと思います」

 ――ポニーリーグをなぜ応援するようになったのか。

 「僕もレギュラーでやっていましたが、ケガをして補欠の気持ちも分かるようになりました。ポニーはレギュラーだけではなく、そういう補欠の子どもたちにも目を向けている。そこに共感しました。育成をメインにやられていて素晴らしいし、これはぜひ、応援してみたい、と。賛同者が増えて、チームが増えればいいですよね。普及への支援をどんどんしていきたい。特に関西の普及に尽力したいですね」

 ――清瀧氏が感じるポニーの魅力を教えてください。

 「中学生の親御さんの中には、野球だけの人生にスポットを当て過ぎてしまっている方もおられるのではないでしょうか。高校野球までに人生の全てをかけてしまい、その後の人生までもが終わったように考える人がいる。それが野球界の人材難につながっている部分もあるのではないか、と。強い高校に行くことが全てじゃない。野球だけではなく、野球を辞めた将来のことまで考えて進学するのは良いと思うけど、とにかく選択肢をたくさん持っておいてほしい。だから、野球以外にも目を向けているポニーリーグの普及が、そういう風潮をなくすことにもつながるだろうし、社会で活躍できる人材を提供していけると思います」

 ――清瀧氏は甲子園に2回出場するなど、野球と真摯(しんし)に向き合ってきた。その中で学んだことは。

 「後悔かな。野球をやっているときに、いま持っている知識があれば、もっと違っただろうな、と。それが今に生きています。野球は後悔を教えてくれたし、もっと前向きに言えば選択することを教えてくれた。経営者で成功している人というのは、大半の人が後悔を知っているのではないでしょうか」

 ――経営者として生かせている経験とは。

 「ケガをして補欠の気持ちを知ったことが経営者としてはすごく良かった。経営者というのは、野球で言えば4番でエース。でも、裏方さんがどれだけやる気になるかが、組織の底上げにつながっていく。そこが一番、いまに生きています」

 ▽「ポニーファミリー サプライ用品給付制度」 対象者は(1)世帯収入が400万円以下の者(2)障害等級1級および要介護者が同一世帯に住居する者で毎年度2月末日までに証明書を提出(中学1年生は5月末日)。協賛社であるSSKの野球用品券が贈呈され、スパイク、グラブが支給される。

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