阪神・大竹 現役ドラフト組初の月間MVP 「球速」の古巣から「制球力」の現チーム移籍で開花、初戴冠

[ 2023年6月9日 05:15 ]

キャッチボールで調整をする大竹(撮影・平嶋 理子)
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 セ、パ両リーグは8日、5月度の「大樹生命月間MVP賞」を発表し、セはともに昨オフの現役ドラフトで新加入した阪神・大竹耕太郎投手(27)、中日・細川成也外野手(24)が選出された。同制度の移籍組では初の栄誉。パは日本ハム・加藤貴之投手(31)、万波中正外野手(23)で、球団では12年9月(武田久、糸井)以来のダブル選出。4選手とも初受賞で、大樹生命保険株式会社から賞金30万円などが贈られる。

 5月の大竹は4度の先発で計27イニングを投げて3勝無敗、圧巻の防御率0・33を残した。阪神投手としては「3、4月度」の村上に続く2カ月連続受賞。“無双”を誇った1カ月を笑顔で振り返った。

 「ピンチをつくっても動じず、平常心で投げられたところが、結果に結びついた」

 快進撃の幕開けは、5月5日の広島戦。7回零封で開幕4戦4勝へ伸ばした一戦だ。2点の援護を得た直後の立ち上がりに連打で無死一、三塁。秋山を空振り三振に斬るなど難所を切り抜け、移籍後最長の7回を投げ抜いた。この初回の投球を最も印象に残る場面に挙げた。

 「臆せず、三振が少ない打者(秋山)から、しっかり三振を取れた。昨年までのメンタリティーだったら失点していた。昨年と気持ちの面で変わったことを実感した」

 ライバルが軒並み球速150キロ以上を誇ったソフトバンクと異なり「制球力」で勝負する投手が多い阪神の環境がフィットした。「スゴく楽に投げられている。その結果、昨年よりも球速も出る」。水が合う確かな居場所こそが“初タイトル”の大きな要因だった。

 6月に入っても黒星はまだない。次回は10日の日本ハム戦を予定。「夏に向けて、疲労も出てくる。その中でどう相手に向かっていけるか。今年の自分は違うぞ、というところを見せていけたら」。まずは自らを祝う7勝目を期した。(八木 勇磨)

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