ラッキー7や!ミラクル8や! 阪神にほほ笑みかけた勝利の女神…わずか1安打で2イニング4点逆転劇

[ 2023年6月9日 05:15 ]

交流戦   阪神4―6楽天 ( 2023年6月8日    楽天モバイル )

<楽・神>8回、犠飛で生還した大山(撮影・岸 良祐)
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 勝利が向こうから歩いてくる――。そう思えるほど、一度は、何から何まで全てが虎に味方した。0―2の7回。幸運の第1部「ラッキー7」が幕を開ける。阪神の先頭・大山の平凡な遊ゴロを山崎がはじくと、佐藤輝はストレートの四球。無死一、二塁。渡辺諒の空振り三振を挟み、ミエセスもストレートの四球で歩いた。転がり込んできた満塁機は小幡の一ゴロによる1点で終わっても、流れは虎へと傾いた。

 直後の守備では2死三塁から太田に三塁前へ絶妙なバント安打を決められて2点劣勢へ逆戻り。楽天の執念に屈しそうになった8回、奇跡の第2部「ミラクル8」が始まった。

 先頭・中野が3番手・酒居から選んだ四球が開演のブザー。続くノイジーの何でもない右飛を小郷が落球して再び無死一、二塁の好機をもらい、大山の飛球は右中間へ。これも決して快打ではない。小郷が今度は目測を誤り、試みたダイビングキャッチも及ばず、打球は芝で弾んだ。記録は適時二塁打。1点差に迫り、二、三塁から佐藤輝の一ゴロで同点とし、7回の好機では凡退だった渡辺諒が一時勝ち越しの中犠飛で応えた。

 「内野も前に来ていたので、走者も大山さんですし(内野ゴロで)ギャンブルスタートよりは、外野フライの方が(得点の)確率は高い。フォーク主体の投手だったので、何とか低めを我慢した」

 2イニングをまたぎ、たった1安打で4得点。内野ゴロと犠飛でそつなく1点ずつ積み上げた攻撃は、セ・リーグの首位独走の凄みを感じさせた。だが、甘くはない。9回、あと1人のところで勝利の女神はそっぽを向いた。

 大山は言う。「勝敗が全て。明日(9日)勝てるように頑張る」。やはり敵の自滅では心の底から喜べない。9連戦の最後の舞台は北の大地へ。猛虎OBでもある新庄監督が率いる日本ハムとの3連戦。今度は“自力”で白星をつかみ取ればいい。(八木 勇磨)

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