サヨナラ被弾の阪神・湯浅に岡田監督「フォアボールが…ストライク入らんのじゃの」配置転換も示唆

[ 2023年6月9日 05:15 ]

交流戦   阪神4―6楽天 ( 2023年6月8日    楽天モバイル )

<楽・神>9回、逆転サヨナラ弾を浴びて崩れ落ちる湯浅(撮影・岸 良祐)
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 阪神は8日の楽天戦に今季初のサヨナラで敗れ、今季最多を更新する貯金19と交流戦の単独首位が目前で消えた。7、8回は敵失と四球につけ込んで1安打だけで4得点。幸運な逆転劇を生かせず、9回に湯浅京己投手(23)が5年目で初の逆転サヨナラ被弾に沈んだ。直近3試合で2度目の3失点。今季初黒星がつき、岡田彰布監督(65)は配置転換を示唆した。

 無情の放物線が右翼席まで届いた瞬間、幸運な逆転劇は暗転した。1点差の9回を守り切れず、悲劇の責任を背負い込んだ湯浅は終始うつむきながら急いだ帰路で必死に言葉を絞り出した。

 「自分の力不足なんで、しっかり状態を上げていけるように頑張ります」

 敵の自滅につけこんだ1安打4得点で劣勢をひっくり返し、2連勝は目前だった。1死から連続四球を与え、2死一、二塁から最後は直球を小深田に運ばれた。昨季は59試合で被本塁打はマルティネス(当時中日、現日本ハム)の1発だけ。決して長距離砲ではない伏兵に仕留められた今季初被弾が全開とは程遠い状態を物語る。

 勝っていれば今季最多の貯金19で交流戦単独首位にも浮上。大きな意味を持つはずだった白星を取りこぼした岡田監督は「(取材を)やんの?やらんとこうと思ったのに」と薄ら笑いを浮かべて報道陣の前に現れた。

 「いや、そら自滅やんか。負けゲームを勝たせてもらう展開になってんねんから」

 制球に苦しんで自らを追い込んだ湯浅をかばうことはしなかった。「力みって、おまえ。そんな、かばうようなことはないけどな。フォアボールが、どんだけ点に絡むかっていうかな。ストライク入らんのじゃの」。投手陣に口酸っぱく言ってきた四球を発端にした手痛い失点に言葉は厳しくなった。

 何より心配なのは湯浅の状態だ。右前腕の張りから復帰後の6試合で被安打0で終えたのは1度だけ。3日のロッテ戦も3点差の9回に同点を許した。精彩を欠く内容に「今はしんどいやろ」と配置転換も示唆した。

 交流戦は前半3カードを終えて4勝4敗1分けの五分。ただ、負け越した2球団はパ・リーグ5位の西武と最下位の楽天だ。9日は北海道への移動試合で4位の日本ハムと相まみえる。長旅を伴う9連戦中だけに岡田監督は気持ちを切り替えるように言った。「一つでも勝ち越して(甲子園に)帰ったらいいんちゃう。これで5分になったんやから、一つでも貯金つくって帰ったらいいんちゃう」。今季最初の踏ん張りどころになりそうだ。(遠藤 礼)

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