田辺徳雄氏 西武・中村の2000三振は「大打者の証」 プロ1年目から2軍コーチとして指導

[ 2023年4月30日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2-8楽天 ( 2023年4月29日    ベルーナD )

田辺徳雄氏(後方)の監督時代、打撃練習する中村
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 西武・中村のプロ1年目から2軍打撃コーチとして指導した西武・田辺徳雄元監督(56=現編成プロ担当)が、通算2000三振について「大打者の証」と語った。類いまれな飛距離を誇った若手時代、三振を恐れずに本塁打にこだわる指針を提示。欠点をなくすよりも、長所を伸ばした指導を振り返った。

 入団1年目から2軍打撃コーチとして「三振に関しては何も言わない」という指導をした。三振を怖がって、打撃フォームの形を崩してまでボールにバットを当てにいくようになっては困る。目指すのは長距離砲なので、追い込まれても最後まで自分のスイングを貫いてほしかった。スケールが小さくなっては魅力がなくなる。

 1年目の春に行ったロングティーで打球が、西武第2球場(現カーミニーク)の左翼後方にあるネットを軽々と越えていった。高校を卒業したばかりで、そんな選手をかつて見たことがなかった。飛距離が他の選手と全く違った。力感はないのに打球が飛んでいく。打率がたとえ2割2、3分でもホームランを30、40本打つような選手になってほしかった。

 練習でもあえて何も言わず、自分のリズムで打ってもらえるようにした。ほぼ何かを直すということはなく、彼は長所を伸ばしていった。同期入団の栗山とはタイプが違って、栗山とはまずはミート率を上げるためにはどうすべきなのか一緒に考えた。スイングをスムーズにするため、トップをつくって、ミートし、フォロースルーまで。栗山の場合はいろんなことを試した。

 中村は完成度が高かったので、逆に、打撃フォームを崩さずに自分のスイングをさせるように指導した。ミート率が高く、打球が飛んだ時の角度が他の選手と違った。三振数は大打者の証であることに間違いない。彼に求められているのは、最後の最後までホームラン。たとえ追い込まれても狙うのはホームランだから。(埼玉西武ライオンズ編成プロ担当)

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