広島・菊池5安打で韮沢のサヨナラ四球も演出 初回に史上132人目の1500安打達成で乗った!

[ 2023年4月28日 06:00 ]

セ・リーグ   広島3ー2中日 ( 2023年4月27日    マツダスタジアム )

<広・中>1回無死、菊池は三塁内野安打を放ち通算1500安打を達成し記念のボードを手にする (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島は27日、中日を今季2度目のサヨナラ勝ちで下した。殊勲は菊池涼介内野手(33)だ。初回の三塁内野安打で史上132人目の通算1500安打を達成すると、2―2の延長12回には先頭打者でこの日5本目の安打を中前に運び、韮沢の押し出し四球による劇勝を呼び込んだ。12回を無失点に抑えた矢崎が今季初勝利。チームは連敗を2で止め、単独3位に浮上した。

 代打・韮沢がストレートの押し出し四球を選ぶと、本拠地は割れんばかりの大歓声に包まれた。同点の延長12回、2死一、二塁での西川申告敬遠が伏線となった今季2度目のサヨナラ劇勝。立役者はこの好機を演出し、節目の1本を含む5安打をマークした菊池だ。

 「鮮やかなヒットではなく僕らしい汚いヒット。地元で決めることができてうれしく思う。使っていただいた監督、コーチや、今まで手伝ってくれた方々に感謝したい」

 史上132人目となる通算1500安打。初回の先頭打者でいきなり決めた。フルカウントから中日先発・柳が投じた7球目、143キロ直球を捉えた打球は三遊間へ転がった。三塁内野安打。節目に到達した瞬間だった。

 名手の勢いは加速する。3回にも三塁への内野安打を放つと、2点を追う8回には先頭打者で左翼線二塁打を放って同点劇をお膳立て。さらには9回に左前打、延長12回には劇勝を呼ぶ中前打と打ちまくった。1試合5安打。20年9月4日のDeNA戦以来だった。

 左足を上げてタイミングを取るフォーム。12年秋が原点だ。当時の野村謙二郎監督(本紙評論家)から「スリ足をやめ、左足を上げて打ってみろ」と助言され、取り入れた。大学時代に上げていた左足。「自分のタイプを考えて」プロ入り後はスリ足に変えていた。

 「元に戻した感覚じゃない。感覚は1本足に近い。早めに上げて振り負けないように」

 以来、熟練度を高め、12年目で到達した節目。10年連続ゴールデングラブ賞に輝く二塁守備はもちろん、打撃でもチームをけん引する33歳に、新井監督は「あれだけの守備がありながら、1500安打はほんとにすごい。でも、彼にとったら通過点」と称え、自身の2203安打を超える量産を期待した。

 「本当に(監督の期待に)応えられるように。ハッパをかけられながら(試合に)出られるように。元気でいるのが一番だと思う」

 長く務めた2番打者から、リードオフマンに転向した今季。二塁手として激務をこなしながら、菊池はチームの勝利のためにバットを振り続ける。(江尾 卓也)

 ○…菊池(広)が中日戦の初回に柳から三塁内野安打を放ち、通算1500安打を達成した。プロ野球132人目。初安打は12年7月1日のDeNA戦で山本から。

  ▼広島・韮沢(サヨナラの押し出し四球でプロ初打点)もう決めるしかないと思って打席に入った。うまく(ボール球を見極めて)見逃せた。(歓喜のウオーターシャワーは)最高だった。

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月28日のニュース