「肘が飛んでもいい」ソフトB・森の決意が歴史的先発星呼んだ リハビリ組移管の午前7時の努力が実を結ぶ

[ 2023年4月28日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5-3楽天 ( 2023年4月27日    ペイペイD )

<ソ・楽>6回、フランコを内野フライに抑え雄たけびを上げる森(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの森がプロ野球史上“最遅”の465試合目で、先発初白星を挙げた。

 「ワンミスで終わり。必死でしたし、いい“一発勝負”になったと思う。アドレナリンが違うし、きょうも(肘が)飛んでもいい気持ちで行きました」

 先発定着へのテーマは“一発勝負”。2軍戦では「肘が飛んでもいい」と思って投げ続けた。プロ3度目の先発は6回4安打零封。10年目での先発初白星に「家に飾ります」とウイニングボールはポケットにしまった。

 元守護神の真骨頂は4回だった。先頭の島内、浅村に連打を浴び二、三塁。「(甲斐と)丁寧に行こうと話してました」。あえて球数を費やした。続くフランコには7球目をカーブで空振り三振。続く岡島には4球目直球で三ゴロ挟殺死。山崎には四球で満塁となるも、7番安田を5球目の内角カットボールで二ゴロに斬ると「ィヨーシ!」とほえた。

 登板までの準備が実った。宮崎キャンプ初日、2月1日にブルペンで106球の猛アピール。翌日に右内転筋痛でリハビリ組移管となったが午前7時から自主的にアーリーワーク。努力と結果を知る藤本監督は「9回投げていた時の森と変わらなかった。当然、ローテにも入ってくるんやないか。うまく回したり、空けたり」と合格点。昨季リーグ最終戦、10月2日のロッテ戦で敗れ、同率でV逸した日に先発転向を指揮官に直訴した。その気迫と努力で確固たる信頼をまずはつかんだ。(井上 満夫)

【データ】
 ○…今季初登板の森(ソ)が6回無失点で勝利投手。入団した14年から21年までの8シーズンはすべて救援登板。先発は22年9月16日と29日のいずれも楽天戦で勝敗はつかず、3度目で初勝利。
 ○…森は昨季まで通算127セーブ。通算100S以上の投手は岩瀬仁紀(中)の407Sを筆頭に34人いて、うち過去22人が先発勝利を記録。100S達成後の先発初勝利は今回の森が初めて。

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