シン・雄星、開幕4連勝　平均球速4キロ増、シン化した高速スラで5回2/3を8K無失点

ア・リーグ   ブルージェイズ8ー0ホワイトソックス （ 2023年4月26日    トロント ）

＜ホワイトソックス・ブルージェイズ＞力投する菊池雄星（AP）
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　ブルージェイズ・菊池が26日（日本時間27日）、ホワイトソックス戦で無傷の開幕4連勝を飾った。5回2/3を4安打無失点、8奪三振の好投。「ストライク先行で投げられた。いいカウントをつくれた」と安定した制球力を勝因に挙げた。

　右打者8人がずらり並んだ打線相手に、特に有効だったのが右打者の膝元へのスライダーだ。立ち上がり、そのボールを決め球に先頭アンドルスから90.7マイル（約146キロ）、ボーンは91.9マイル（約148キロ）の高速スライダーで2者連続空振り三振で滑り出した。

　公式データサイト「ベースボール・サバント」によれば、スライダーの平均球速は昨季の86.5マイル（約139キロ）から、89マイル（約143キロ）に上昇。9日にはエンゼルス・大谷に3号2ランされたスライダーだが、この日はさえ渡った。昨季中から「速いスライダー」の習得に取り組み、完成の域に達してきた。縦にはあまり落ちず、横への曲がり幅の大きいスライダーの進化形「スイーパー」が現在のトレンドだが、菊池は打者からは直球と同じような軌道から消える高速スライダーを磨き上げてきた。

　唯一のピンチは5回1死一、二塁。ここは「頭をリセットして走者は気にせず、打者と勝負することを考えた」と右飛と三振に仕留めた。昨季、中継ぎへの配置転換の一因となった制球難は影を潜め、この日も打者21人で四球は一つだけ。オフに取り組んだフォーム修正が奏功し「迷いなく投げられる。膝元のスライダーもよく決まり、空振りを取れている。打者と対戦することを楽しめている」と胸を張った。

　先発投手陣がそろって好調でチームは4連勝。ジョン・シュナイダー監督も「彼らに続いて菊池も良いゲームプランを実行してくれた」と上機嫌だった。