Rソックス・正尚 メジャー新人史上4人目の1イニング2発 2号V弾に続き3号満塁弾 日本選手では初

[ 2023年4月25日 02:30 ]

インターリーグ   レッドソックス12―5ブルワーズ ( 2023年4月23日    ミルウォーキー )

<ブルワーズ・レッドソックス>8回、満塁弾を放つ吉田(AP)
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 歴史に名を刻む2発だ!レッドソックス・吉田正尚外野手(29)が23日(日本時間24日)、ブルワーズ戦の8回に勝ち越し2号ソロを放つと、打者一巡した打席で3号満塁弾。メジャーで日本選手初、新人では史上4人目、チームでは08年のデービッド・オルティス以来15年ぶり5人目の1イニング2発を記録した。エンゼルスの大谷翔平投手(28)、カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)も一発を放ち、WBCにも出場した侍3人が計4発9打点を稼いだ。

 メジャー初の満塁弾は右翼席に消えた。スタジアムを包む異様な雰囲気。この回、2本目だから当然だ。吉田はホームベースを踏むと「ワオ!」と叫んだ。実況アナウンサーも「ワオ!」と呼応した。ベンチに戻り、オリックス時代のグッズであるビニール製のダンベルを手に“マッチョポーズ”も披露した。

 「(1本目は)何とか塁に出ることを考えた。(オルティスは)チームのレジェンド。光栄です」

 敵地を揺るがせたのは8回。先頭ターナーのソロに続き、2者連続の右越え2号決勝ソロを放った。3日のパイレーツ戦以来13試合、59打席ぶりの一発。さらに2死満塁で打席が巡り、右翼2階席へ飛距離407フィート(約124メートル)の特大3号グランドスラムを運んだ。日本人野手が初めて海を渡ったのは01年。イチロー(マリナーズ)と新庄(メッツ)だった。それから22年。1イニング2発は日本人大リーガー初の快挙だ。チームでは通算541本塁打で野球殿堂入りしたオルティス氏以来15年ぶり5人目。身長1メートル73の新人が「ビッグ・パピ」と肩を並べた。

 一挙9得点を演出した衝撃の2発。1本目は内角の76・4マイル(約123キロ)のカーブをさばいた。「あそこはシーズンの最初はゴロや凡打になっていたところ。うまくヘッドが出て、角度もついてきている」。内角の変化球。ファンの脳裏に深く刻まれているのは3月20日、メキシコとのWBC準決勝で0―3の7回に右翼ポール際に運んだ同点3ランだ。内角チェンジアップを巧みにすくい上げた一発。同大会で歴代最多13打点を挙げて世界一に貢献した吉田にとって、苦手なコースではないはずだった。

 開幕直後に右太腿裏の張りで欠場。前後して打撃のピントがわずかに狂う。吉田は打撃コーチにも熱心に意見を求め、ややオープンに構えるフォームに修正。「両目で見ることを意識し、タイミングも少しずつ良くなっている」と手応えを語る。満塁弾も内角の84・5マイル(約136キロ)のスライダー。死角がなくなってきた。
 初回の先制犠飛と合わせ、日米通じて自己最多タイの6打点。チームは貯金1となった。「今日はいい一日だけどシーズンは長い。また明日に向け準備する」と吉田。次は、どんな驚きのシーンを見せてくれるだろうか。

 ≪ヤクルトのお騒がせ助っ人ペピトーン以来≫吉田の1イニング2発は新人では1962年のヤンキースのジョー・ペピトーン以来、史上4人目。同じヤ軍では36年にレジェンドのジョー・ディマジオも記録している。ペピトーンはメジャー時代から素行が悪く、73年に入団したヤクルトでも離婚問題で7月に一時帰国するなど自分勝手な振る舞いを連発。帰国後もコカインの不法所持など何度も警察の世話になった。メジャーの通算成績は1397試合で打率.258、219本塁打、721打点。今年3月13日に82歳で死去した。

 ≪ゴジラ以来日本人1年目満塁弾≫日本人選手がメジャー1年目で満塁本塁打を放つのは03年の松井秀喜(ヤンキース)以来20年ぶり。松井は4月8日のツインズ戦でのメジャー1号が満塁弾だった。

 ≪満塁弾含む1イニング2発日本では過去7度≫NPBでの1イニング2本塁打は1リーグ時代の48年5月16日金星戦の川上哲治(巨)をはじめ21人(23度)がマーク。そのうち満塁弾を含むのは51年10月5日阪急戦の飯島滋弥(大映)、72年8月2日ヤクルト戦、77年8月9日巨人戦の大島康徳(中)、80年8月7日近鉄戦、83年9月1日日本ハム戦の山崎裕之(西)、85年10月22日日本ハム戦の岡村隆則(西)、93年5月19日広島戦の池山隆寛(ヤ)の5人(7度)だが、4番で記録したのは飯島しかいない。

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2023年4月25日のニュース