松坂大輔氏 朗希は一段階上のステージへ 無双中の大谷はまだ余力ある…日米の侍剛腕に注目

[ 2023年4月25日 02:30 ]

エンゼルス・大谷
Photo By スポニチ

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】スポニチ本紙評論家の松坂大輔氏(42)による月1回の連載コラム「松坂大輔の探球」4月編。歓喜の世界一となった3月のWBCから早くも1カ月がたち、日米とも余韻が残る中でシーズンが盛り上がる。日本ではロッテ・佐々木朗、米国ではエンゼルス・大谷と、侍ジャパンを経て好調なスタートを切った2人の投手について松坂氏が語った。

 早いもので、侍ジャパンが世界一に輝いたWBCの熱狂から1カ月がたちました。自分は日本に滞在していましたが、余韻や「余熱」のようなものが残っていましたね。野球に興味のなかった知り合いからも「WBCで野球が気になっている」という声を多く聞きました。うれしいですし、侍ジャパンの活躍がそれだけの影響を与えたのだと思います。

 別の意味での影響は、出場していた選手にも及んでいます。WBCの激闘から自分のチームに帰り、いざレギュラーシーズンに臨む。スムーズに入れなかった選手もいるでしょう。自分も06年の第1回大会で優勝した後、メンタル面で苦労したことを覚えています。一度、WBCで気持ちをピークに持っていったものを、いかに落ち着かせてシーズンに臨むか。難しかったことを思い出します。

 そんな中、非常にいい入り方をしたのがロッテ・佐々木朗投手です。開幕3連勝で防御率0・00。本人が意識しているかは分かりませんが、相手を見下ろして投げている感じがします。「なめている」というのではなく、自信が伝わります。WBCの経験を経て、また一段階ステージが上がったのではないでしょうか。

 米国ではエンゼルス・大谷投手でしょう。こちらも3勝を挙げ、両リーグトップの防御率0・64と無双状態。「スイーパー」とも称されるスライダーが絶対的な信頼を置ける球種になっていることが大きいです。武器の一つのスプリットの比率が大きく減るなど、まだまだ余力を残していますね。大谷投手は自分でサインを出しています。取材する機会があれば球種の割合など、本人の意識を聞いてみたいですね。

 もちろんまだ早いですが、この投球を続ければ日本人選手初のサイ・ヤング賞も大いに期待できます。同じWBC組のパドレス・ダルビッシュ投手もこの日、今季初白星。状態は悪くありません。大谷投手、ダルビッシュ投手の日本人2人で両リーグのサイ・ヤング賞を。そう願っています。

 とにかく大谷投手は自分たちの予想を軽々と超えてきますね。今年は何をしてくれるのか。これほどワクワクさせてくれる選手はいません。周りの選手とはレベルが、次元が違う。リアルタイムで見られる我々は本当に幸せだと思います。(スポニチ本紙評論家)

 ≪5月7日テレ朝WBC特番に出演≫テレビ朝日では5月7日に、松坂氏も出演するWBC特番を放送する。「緊急特報!侍ジャパンWBC世界一の熱狂!」で午後7時からオンエア。侍ジャパンの栗山英樹監督をゲストに迎え、世界一までの全7試合の知られざる真実や「あの時のあの場面」を振り返る。栗山監督が招集の際に選手、スタッフに送った直筆の手紙も紹介される。

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月25日のニュース