落合博満氏が語る 井端の1.9億円から3000万円へ 大減俸提示の理由と退団の舞台裏

[ 2023年4月25日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が25日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。13年オフに就任し、17年1月まで務めた中日ゼネラルマネジャー(GM)時代について語った。

 2013年10月にGM就任が発表されたが、11月には、落合監督政権下で主力として長く活躍してきた井端弘和内野手が退団となった。大減俸提示を受け入れずに退団。当時年俸1億9000万円だった井端に対し、3000万円(金額は推定)を提示したと報じられた。減額制限の40%を大幅に上回る提示に対し、ファンからも議論が噴出した。

 「来年(翌2014年)の戦力として考えた時に、“この年俸だったらどうなんだろうな”っていうことですよ。それと故障がちだったんでね。トレーナーとかに、“どうなんだ?”って言ったら、あんまり芳しいような返事が返ってこなかったんで。だったら、本人が(前年の)何パーセント以上OKであれば契約出来るっていう所を活用しただけであってね。“3000万円くらいだったら良いかな”っていうような所だと思う」と語った。井端は10月4日に右足関節の骨棘(こっきょく)除去と関節内遊離体除去手術、同12日に右肘関節形成術および尺骨神経移行術を行った。「膝を手術したりなんかということもあって、これはどうなのかなという出発点だったと思う」と話した。

 「井端に3000万って言ったのは、(球団)代表だとは思うけどね。査定では、何%までがギリギリだって言うから、そこまでは落としてたんだろうと思うけども。その査定はオレ、見てないんだ」と語った。「だって来季の契約するかしないかっていうことなんでね。(契約するかどうかの交渉の席に)オレは就いてないよ。(本人と)やりとりはない」と明かした。来季も保有権を有する選手との契約更改交渉ではなく、井端は来季契約するかどうかの話し合いだったため、落合氏は交渉も行っていないことを明かした。

 当時は落合GMがすべての人事権を掌握しており、井端の大減俸提示も落合氏の意思が反映されたものとみられていた。落合氏は「暴走はしませんよ。全ての決定権は、社長決めるにしても、代表決めるにしても、オーナーが持っている。だから、オーナーの鶴の一声で決まっていくっていうのが、中日ドラゴンズの伝統なんだろうと思うけど。これはよその球団もみんなそうだと思うよ。だって、最終的に判断するの誰かっていえば、そこのトップだから」と話した。まずは球団に決定権があり、それに沿って落合氏は動いていたという。

 「(球団も)契約を前提として金額を提示するわけだから。戦力外通知だったら年俸の提示はしないはずだから。“それでも良いんであれば残ってくださいよ”っていうことだから。だから、それが(本人の中で)NOだったっていうだけであってね」と話していた。

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