牧田和久氏が侍ジャパンに金言 開き直って強気の投球を「短期決戦では自信のある球で勝負するべき」

[ 2023年2月25日 05:15 ]

17年、2次ラウンドでオランダに勝利し、小林(右)とタッチを交わす牧田
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 3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で09年の第2回大会以来、14年ぶりに世界一を狙う侍ジャパン。再び頂点に立つためには何が必要なのか。13、17年大会に連続出場した牧田和久氏(38)が、スポニチ本紙を通じて侍たちに金言を贈った。

 世界でも希少なアンダースローという「刀」を持っていた牧田氏は、抑えも務めた経験からパワーで勝る外国人にも「強気」を貫く重要性を強調。「短期決戦では自信のある球で勝負するべき。直球に強い選手が相手でも、かわす投球は絶対にしてはいけない。速球を意識させれば日本人投手が得意とする変化球も生きる」と語る。

 17年の第4回大会。2次ラウンドのオランダ戦はタイブレークの末、4時間46分にも及ぶ激闘を制した。牧田氏は同点の延長10回から登板。2イニングを完全に抑えた。無死一、二塁から始まるタイブレークの延長11回。「外国人選手は高めの球を振ってくるので、そこをいかに有効に使えるか」と強調するように先頭のプロファーを初球の高め直球で一飛に仕留めた。「リーチが長いので低めは拾われる。中途半端な高さは危ないので、しっかり高めに投げきりファウルを取れれば有利なカウントになる」と力説する。続くボガーツはフルカウントから内角直球でバットを折る三ゴロ。最後はサムズを捕邪飛に斬った。

 「3月はまだ打者がピークに仕上がっていないので体に近いコースの直球は捉えられにくい。怖がらずに“打たれたらしょうがない”と開き直って投げてほしい」と牧田氏。シーズン開幕前だからこそ投手が優位性を保てると見る。オランダ戦は両軍で計16人が登板。牧田氏の最速(132キロ)が最も遅かった。スピードやパワーより、ハートの強さが勝利の絶対条件となる。

 ◇牧田 和久(まきた・かずひさ)1984年(昭59)11月10日生まれ、静岡県出身の38歳。静清工から平成国際大、日本通運を経て10年ドラフト2位で西武に入団。パドレス、楽天や台湾・中信でもプレー。侍ジャパンとして13、17年WBC、15年プレミア12に出場した。NPB通算成績は345試合で55勝51敗27セーブ、防御率2.81。

 ☆13年 4強 ダルビッシュ、岩隈、青木、イチロー、黒田、川崎のメジャー6選手が12年11月に出場辞退を表明。1次ラウンドを2勝1敗で通過し、2次ラウンドは初戦の台湾戦を延長10回の末、4―3で辛勝。その後、オランダに2勝し3戦全勝で突破したが、準決勝は走塁ミスで好機を逃し、1―3でプエルトリコに惜敗。大リーガー不在の中、大会3連覇に臨んだ山本浩二監督は「国際大会に向けての意味を一人一人が感じて、力を発揮してくれた」と選手をねぎらった。

 ☆17年 4強 メジャー組は青木が唯一の出場。1、2次ラウンドは筒香、中田がそれぞれ3本塁打を放つなど、チームで計10本塁打をマークして6戦全勝で突破した。米国との準決勝では6回に菊池の本塁打で同点としたが、8回に勝ち越しを許し1―2で惜敗。2大会連続で準決勝敗退となった。プロ野球監督の経験がない中、初めて日本代表を指揮した小久保裕紀監督は、帰国会見で「負けた責任は私にある。代表監督は易しいものではなかった」と心境を吐露した。

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2023年2月25日のニュース