巨人・中田が侍ジャパンに金言 初球から振る積極性が大切 海外投手は球筋が異なる

[ 2023年2月25日 05:15 ]

13年、2次ラウンドの台湾戦で延長10回、勝ち越しの左犠飛を放つ中田
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 3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で09年の第2回大会以来、14年ぶりに世界一を狙う侍ジャパン。再び頂点に立つためには何が必要なのか。13、17年大会に連続出場した巨人・中田翔内野手(33)が、スポニチ本紙を通じて侍たちに金言を贈った。

 13、17年のWBCに出場した中田は、前回17年にチーム最多3本塁打を放った。1次ラウンドのオーストラリア戦。同点の7回先頭でウィリアムズの初球125キロのスライダーを決勝弾とするなど、いずれもファーストストライクを振っていき全て3球以内で決着。結果を残せた要因に「当たり前のことかもしれないけど案外できなかったりする」と積極性の大切さを説いた。

 野手最年少の23歳で出場した13年大会で初対戦の投手に衝撃を受けた。「日本で普段見ている球筋とは違う。155キロでストンと落ちる球もあって“えっ、何を投げてるの?”と」。普段であれば「初見の投手は1球でも多くボールを見たい。そこで球筋、打席の中での球速感などを確認する」というが、海外の投手はそもそも球筋が異なる。体感した上で「追い込まれると速い球に差し込まれたくないからポイントを前に…、とか考えているうちにボールが来て、打ちにいったら変化する。当てるだけになって、僕の場合は内野ゴロが多かった」と悪循環も指摘する。「途中から割り切って、初球から甘いところ、目付けしているコースに来たら、どんな球が来ても全部打つと決めていた」と明かした。

 調整は意識的に早めたという。例年はシーズン後、1週間~10日ほど休養に充てて、12月中旬から強度を上げて1月頭から技術練習を行うが、「練習の強度を早い段階で上げていた」。経験者が語る打席での心構えは侍たちに生きるはずだ。

 ◇中田 翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日生まれ、広島県出身の33歳。大阪桐蔭から07年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。打点王3度。21年途中から巨人でプレー。侍ジャパンとして13、17年WBC、15年プレミア12に出場した。通算成績は1604試合で打率.250、288本塁打、1025打点、14盗塁。1メートル84、107キロ。右投げ右打ち。

 ☆13年 4強 ダルビッシュ、岩隈、青木、イチロー、黒田、川崎のメジャー6選手が12年11月に出場辞退を表明。1次ラウンドを2勝1敗で通過し、2次ラウンドは初戦の台湾戦を延長10回の末、4―3で辛勝。その後、オランダに2勝し3戦全勝で突破したが、準決勝は走塁ミスで好機を逃し、1―3でプエルトリコに惜敗。大リーガー不在の中、大会3連覇に臨んだ山本浩二監督は「国際大会に向けての意味を一人一人が感じて、力を発揮してくれた」と選手をねぎらった。

 ☆17年 4強 メジャー組は青木が唯一の出場。1、2次ラウンドは筒香、中田がそれぞれ3本塁打を放つなど、チームで計10本塁打をマークして6戦全勝で突破した。米国との準決勝では6回に菊池の本塁打で同点としたが、8回に勝ち越しを許し1―2で惜敗。2大会連続で準決勝敗退となった。プロ野球監督の経験がない中、初めて日本代表を指揮した小久保裕紀監督は、帰国会見で「負けた責任は私にある。代表監督は易しいものではなかった」と心境を吐露した。

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