“レフティースナイパー”ソフトB・中村晃 野手チーム在籍最長16年目の照準は…あの再現!?

[ 2023年2月25日 05:00 ]

サングラスをキラリと光らせ、練習に励む中村晃。開幕に向け順調な調整を続ける(撮影・中村 達也)
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 【インタビュー】着実にバットの感覚を研ぎ澄ましていた――。ソフトバンクの宮崎春季キャンプは、25日から最終第6クール。休日インタビュー最終回は、中村晃外野手(33)だ。野手ではチーム在籍最長の16年目の“レフティースナイパー”は今季、開幕前から打撃に手応えあり。本拠地のペイペイドームのファウルポールを直撃した“棒ラーメン弾”再現をひそかに狙うとともに、準備から磨きがかかっている。(取材・構成=井上 満夫)

 ――21日の紅白戦最終の5試合目で、4回2死三塁で東浜の145キロを中前適時打。打撃の状態はどうか。

 「全体的にタイミングも取れているし、いいと思う。センターを中心に打っていきたいし紅白戦の打球は良かったです。あとは投手との間合い。打席数(多く)立って上げていけたら」

 ――今季入団16年目。和田毅投手の球団在籍17年に次ぐ野手では在籍最長となった。より長く現役を続ける意識は。

 「長くは、やりたいですよ。もちろん。“いらない”と言われたら終わりなんで、この世界は。レベルも技術も“使いたい”と思われるレベルをずっと保っていたいなと思いますよ。守備位置のこだわりもないですよ」

 ――昨季限りで帝京の1学年後輩、日本ハムの杉谷拳士氏が引退。07年の高校生ドラフトの同期も丸、中田翔(ともに巨人)、唐川(ロッテ)、中村晃の4人となった。変化を感じるか。

 「(杉谷氏は)自分で決めたことです。彼らしくやってくれたらいい。同級生は、大卒も含めてレギュラーでやっている選手はまだまだいます。刺激にはなっていますよ」

 ――14年に176安打で初タイトル獲得。15年は打率・300で3年連続で打率3割。復活を期す今季、安打の「数」と「率」、どちらに再挑戦するのか。

 「ヒット数ももちろん大事ですがアウトにならないのが大事。どちらかというと率の方。出塁とかの率を大事に。ずっとそうやってやってきましたので」

 ――打率3割到達の難しさとは、何?

 「もう遠い昔過ぎて、忘れてしまいました(笑い)。8年前か。昔のことは、覚えていないですね」

 ――勝負強い一発も魅力。昨季4月27日の西武戦では右翼ファウルポール直撃の1号。ファウルポールの命名権を持つ「マルタイ」から「マルタイ棒ラーメン」1年分がチームで唯一、中村晃に贈呈された。まだ残っているか。

 「みんなで分けて、おいしく食べました。10食くらいは、自分で食べました。あのポール際の打球は、僕は多いんですよね。また今年も当たればいいな」

 ――常に、練習場に一番に入るイメージがある。準備の高さが際立つ。モットーは。

 「もう習慣なんで。一番に出ようとかは思ってない。もともと、せっかちというのもあるし年齢を重ねてくると準備するのにも時間がかかる。早く出て、ちょっとずつ動いておかないと。不安があるから準備します。“大丈夫かな?”のための早めの準備。それがなくなったらやばいと思う。その辺を察知する感覚は、常に持っていた方がいいかなと」

 ――リーグ優勝もオリックスに奪われて20年以来遠ざかる。山本由伸からは20年7月20日に本塁打も放っているが、宮城や宇田川を含めた対策は。

 「もうイメージはできているので。何十打席も対戦した。あとは、ちょっとでも甘い球を逃さないように。仕留められるかが大事」

 ――優勝奪還に向けた意気込みを。

 「個人、個人がしっかりとやることで優勝はできると思う。まずは自分のことをしっかりとやりたいと思う」

 ◇中村 晃(なかむら・あきら)1989年(平元)11月5日生まれ、埼玉県朝霞市出身の33歳。小2で野球を始め、内野手と投手。中学では投手、外野手。帝京では1年夏にベンチ入り。2年春に「1」を付けるも一塁手として2年夏から4番として3季連続甲子園出場。高校通算60本塁打。07年高校生ドラフト3位でソフトバンク入団。11年5月3日の楽天戦で初出場。14年に最多安打のタイトル獲得。18、20年の日本シリーズMVP。一塁手部門で20~22年にゴールデングラブ賞。1メートル75、80キロ。左投げ左打ち。

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