福島敦彦氏　好守を好守に見せない堅守光った天理の二遊間　引き締まった好ゲームに

第104回全国高校野球選手権大会第3日・1回戦   天理2ー1山梨学院 （ 2022年8月8日    甲子園 ）

＜天理・山梨学院＞4回　無死　山梨学院・岩田」の邪飛を好捕する天理・藤森（撮影・成瀬　徹）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】ともに攻撃力があるだけに5、6点勝負を予想していたが、引き締まった好ゲームとなった。要因は無失策試合が示す守りだった。

　天理は内野陣がすばらしかった。特に、二塁手・藤森君と遊撃手・戸井君は守備範囲も広く好守を好守に見せない堅守が光った。9回2死二塁の二遊間への打球も藤森君は簡単にさばいたが、重圧がかかる中でのプレーで相当に鍛えられている。今春選抜1回戦の星稜戦は決勝点をミスで献上するなどチーム3失策と乱れた。しっかりと立て直してきたあたりはさすがだ。

　1メートル88のエース南沢君は長いリーチを生かしスライダーなどの変化球と真っすぐを両サイドに丁寧に投げ分けた。決して高めにいかず最後まで失投がなかった。ピンチでも力が入ることなく変わらない投球ができるのは、野手陣との信頼関係が築かれているからこそだ。

　打線は10安打で2得点と攻めあぐねたが相手の両右腕の力投を評価すべき。ともに2死からの得点と粘り強さもあり悲観する必要はない。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）