日本ハム・新庄監督　9回に見せた反撃に「勝ちに等しい」石井が執念の2点適時打

パ・リーグ   日本ハム2―4楽天 （ 2022年4月20日    楽天生命 ）

＜楽・日＞9回、石井は2点適時三塁打を放ちガッツポーズ（撮影・沢田　明徳）
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　日本ハムは20日の楽天戦で2―4で敗れ、連勝は3でストップした。零敗間際の9回、2死一、二塁から石井一成内野手（27）が右中間への2点三塁打。今季最多を更新する4連勝こそ逃したが、意地の追い上げを見せた。

　決して負け惜しみではない。収穫は確実にあった。打線が最終回に見せた反撃が、新庄監督にはうれしかった。「これは勝ちに等しいぐらい、俺の中では。これは素晴らしい」。うなだれてロッカーに戻る選手たちとは対照的に、ビッグボスの表情は明るかった。

　1死から野村が三塁線を破る二塁打。続く近藤は遊飛に倒れて2死となったが、渡辺は2球で簡単に追い込まれながらも粘って四球でつないだ。迎えた石井は「（それまでの打席では）最低限の仕事もできずに凡打していたので」。西口の初球146キロ直球を右中間へ運び、2点三塁打で2点差に迫った。

　最後は今川が空振り三振に倒れてゲームセット。それでも、指揮官は「でかいですよ。ねえ、2アウトから？これ1点取ったら成長だねって話をしていて、2点。うれしかった、今日は」。相手先発・岸の前に7回まではわずか3安打。楽勝ムードだった楽天ベンチから守護神・松井裕を引っ張り出したのは、次戦に向けて間違いなく意味があるものだった。

　前日19日に決勝本塁打を放った宇佐見はこの日は控えに回し、高卒4年目の田宮に先発マスクをかぶらせた。勝利が欲しければ、経験豊富な宇佐見を起用する選択も考えられたが、指揮官は常々「目先の1勝より、先の成長です」と話している。若手の成長を促すと同時に勝利を目指す。難しい挑戦が続くが、充実感たっぷりに球場を後にした。（清藤　駿太）