阪神・小川 高校時代“鬼門”のハマスタで自己最長7回零封 矢野監督称賛「勝たせてやりたかった」

[ 2022年4月21日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0-1DeNA ( 2022年4月20日    横浜 )

<D・神>4回2死、佐野を遊ゴロに仕留める小川 (撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 殻を破った瞬間だった。両軍無得点の7回2死一、二塁。阪神・小川はこの日最大のピンチで大和を力のない投ゴロに打ち取り、両手をたたいて吠えた。

 「あそこは割り切って、それこそエラー(野選)絡んでいるんで。打たれても自分のせいじゃないくらいに。抑えたらかっこいい、プラスしかないなと思って、割り切って投げられたのはよかった」

 先頭から内野安打と野選で無死一、二塁。この試合初めて得点圏に走者を背負うも、開き直った。牧を120キロカーブで三ゴロ併殺。ソトを申告敬遠して再び一、二塁で迎えた大和も、120キロのカーブで打ち取った。昨春に小野から握り方を助言され、新球としての習得に成功。そこからさらに改良を重ね、緩急を効果的に使えるようになった。

 「梅野さんと話し合って、狭い球場なので一発は仕方ないくらいの気持ちで強気で攻めていけた。その中でカーブとか真っすぐをしっかりいいところに投げられたのはよかった」

 6回まではわずか1安打、二塁を踏ませない完璧な投球。自己最長の7回を2安打無失点の内容に、矢野監督からは「素晴らしかったね。だから勝たせてやりたかったけどね」とねぎらわれた。

 神奈川県の逗子市出身。横浜スタジアムは地元だが、1年目には1試合5失点を喫したこともあった。「あまり良いイメージがない」と語ったのは登板前。親族や友人が駆けつけた一戦で、同じ過ちを繰り返すわけにはいかなかった。

 「かっこいいところを見せたかったんで、7回しっかり抑えられてよかった。(先発と中継ぎを)どっちも経験しているのは自分の中でプラスなので。長いイニングをしっかり投げられたら」

 今季だけでも先発→中継ぎ→先発とめまぐるしいが、その都度、経験値を高めてきた。確かな成長を見せつけた夜。勝利に値する快投だった。(阪井 日向)

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月21日のニュース