バース、パットン、J・ガルシア…大リーグ取材で出会った元NPB助っ人たちの奮闘

[ 2022年4月21日 07:30 ]

<エンゼルス・マーリンズ>日本ハム時代の同僚・バース(中央)と再会した水原通訳(左)と大谷(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 エンゼルス・大谷を中心としたメジャー取材のため、渡米してから1カ月以上が経過した。大谷や日本選手はもちろんのこと、相手チームの元NPB助っ人の動向もいつも気になる話題だ。

 16年に日本ハムに在籍した右腕バースは現在、マーリンズでプレーしている。4月12日の試合前に、大谷とグラウンドでマリナーズに在籍した19年以来、3年ぶりに再会。日本ハム時代の大谷のオーセンティックユニホームを持参し「To Anthony, 2016 Japan Championship」と直筆サインをもらって感激の表情を浮かべていた。

 バースは日本時代の一番の思い出にはMVPに輝いた16年の日本シリーズを挙げた。その中でも勝てば日本一が決まる同シリーズ第6戦で勝利を決定付けた中前適時打を放った場面は印象深いようで「チャンスで翌日の第7戦で先発予定だった翔平がネクストバッターズサークルに立って相手にプレッシャーをかけたけど、翔平はベンチに下がり、僕がそのまま打席に立って適時打を打った。栗山監督に“打ってくれ”と言われて驚いたよ」。かつての仲間や首脳陣を懐かしみ「その栗山監督は今、日本代表の監督なんだろ?かなりクールだね」とうれしそうに話した。

 エンゼルスの開幕カードの相手だったアストロズには14年にDeNAでプレーしたグリエルが在籍。14~17日の相手だったレンジャーズには16年に巨人に在籍したJ・ガルシア、17~20年までDeNAに在籍した右腕パットンが所属している。J・ガルシアは昨夏のオールスター戦に選出されるなどブレーク。パットンは4月15日に大谷を三振に打ち取り、日本のSNSでも話題になった。翌4月16日には20年にソフトバンクでプレーした左腕ムーアがレ軍傘下ラウンドロックからメジャー昇格を果たし、大谷に遊撃内野安打を許した。クラブハウスで日本メディアに笑顔であいさつを交わしていたのが印象的だった。

 その他にも鈴木が在籍するカブスには同じくバース、後述するメンドーサとともに16年の日本ハムの日本一に貢献したマーティンが在籍し、カージナルスには15~17年に巨人でプレーしたマイコラスがいる。マーティンに日本の思い出を尋ねると「ハイボールが美味しかった。こっちではそういう飲み方をしないから、また飲みたいね」と懐かしそうに話していた。

 現役選手だけではない。エンゼルスのキャンプ取材中には14~17年途中まで日本ハムに在籍した右腕メンドーサと出会った。元同僚の大谷のプレーを見るために、メキシコから車で約5時間かけてモニカ夫人、長男マルセロ君、長女ルシアナちゃんともにアリゾナまでやってきたという。

 3月27日のオープン戦後には大谷や当時の担当通訳だった水原通訳とも再会し、旧交を温めた。大谷とはただの元同僚ではなく、オフに札幌市内の寿司店や焼き鳥屋に出かけるなど、公私ともに仲が良く、当時から英語で話していたという。「互いに“久しぶりだね”と言い合った。一平(水原通訳)は変わらないけど、翔平は凄く体が大きくなっていて驚いたよ」。同26日のオープン戦でプレーボール弾も見届けており「翔平は今や大リーグの顔。彼と一緒にプレーできたことがうれしい。今季はサイ・ヤング賞と3冠王を狙ってほしい。彼ならできる」とエールを送った。

 昨今は現役バリバリのメジャーリーガーがNPBでプレーするケースが増えているが、同様に日本経由でメジャーでプレーする“逆輸入”助っ人も増えている。日本で進化した彼らがメジャーの猛者たちを相手にどんなプレーをしているか。日本選手と同じくらいの熱量で応援したい。(記者コラム・柳原 直之)

続きを表示

この記事のフォト

2022年4月21日のニュース