阪神・佐藤輝　またも「エース撃ち」で右翼越え3号　敗戦も「調子は悪くはない。打って勝ちたい」

セ・リーグ   阪神1ー2中日 （ 2022年4月12日    バンテリンD ）

＜中・神＞6回、佐藤輝は大野雄（左）から先制ソロを放つ（撮影・成瀬　徹）　
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　仲間を救う一撃になるはずだった。阪神・佐藤輝が6回の第3打席に均衡を破る右翼越え3号ソロ。終盤に逆転を許しV弾は幻も若き4番のバットが湿っていないことは、救いだ。

　「ランナーがいなくなってしまいましたが、積極的にいこうと思って。甘い球を1球で仕留めることができて良かった。バッティング自体は良かった」

　“ショック”を振り払った。直前の無死一塁で前を打つ近本が二ゴロ。一塁走者は二塁封殺となり、併殺を狙った遊撃手・京田の一塁送球が悪送球となってボールはファウルゾーンに転がったが、二塁を狙った近本が憤死して2死無走者と好機はしぼんだ。その悪い空気を背番号8のスイングが払拭（ふっしょく）。やや高めに浮いた初球のスライダーを完璧に捉えた。

　「いやー、もう行ってくれ！って感じでしたね」という本人の願いも通じ、打球は右翼フェンスをギリギリで越えて着弾。ベンチ前で糸井とお決まりのポーズを決めると、チーム全体を鼓舞するように何度もほえた。

　9日の広島戦で森下から放った2号に続く「エース撃ち」。「どんな良いピッチャーでも甘い球は来ると思うので、それをしっかり捉えることができた」と手応えは十分だ。4回にも中前打を放って2試合ぶりのマルチ安打も記録。ただ、1点優勢で迎えた8回2死二塁の第4打席で空振り三振に倒れた拙攻が悔やまれた。

　「（調子は）悪くはないですね。やっぱり打って勝ちたいなと思います」。打線の中心を任されている責任感をにじませ、帰りのバスに乗り込んだ。（遠藤　礼）