阪神・矢野監督の采配裏目 8回湯浅が今季初失点で救援失敗…打線大幅改造も失敗

[ 2022年4月13日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー2中日 ( 2022年4月12日    バンテリンD )

<中・神>ベンチで顔をしかめガックリの矢野監督
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 阪神は12日の中日戦に1―2の逆転負けを喫し、泥沼脱出はならなかった。矢野燿大監督(53)が1―0の8回に投入した湯浅京己投手(22)が今季初失点となる痛恨の2失点でプロ初黒星。大幅な打順の組み替えも機能せず、得点は佐藤輝の先制ソロのみだった。打った手が裏目に出る悪循環から抜け出せない。

 今季何度も見てきた“まさか”の光景が繰り返された。1―0の8回。矢野監督がマウンドに送り込んだのは過去6戦無失点と売り出し中の湯浅だった。ケラーに代わる新守護神に指名していた右腕を相手中軸にぶつけたものの、悪夢の2失点。つかみかけていた今季2勝目も霧散した。

 「まあ(西勇の)球数も増えていたしね。(イニングの)途中から湯浅というよりも、頭からいった方がいいんじゃないかなということで」

 矢野監督は8回に起用した理由をそう説明した。岩崎という実績十分の投手が控えており、湯浅の抑えにこだわる必要はない。ただ、まだ一度も勝ち試合の9回にも投げないままの右腕が、1死からビシエドに左翼線二塁打され、続く阿部に中前同点打。さらに1死一、三塁から石川昂に左前勝ち越し打を浴びてKOされた。屈辱のプロ初黒星を喫した。

 5カード終了して1勝のみという惨状を受け、打線も大幅にテコ入れして臨んだ。不動のリードオフマンだった近本を3番に下げ、1番に島田を抜てき。山本、ドラフト6位・豊田(日立製作所)も今季初めて先発起用した。よどんだ空気を一掃したい狙いもあったはずの打線改造も、残念ながら機能せず。島田は4タコに終わり、得点は佐藤輝のソロアーチによる1点のみとつながらなかった。

 「何か変わるんであればやっていきたいと思うし。同じようにやってなかなか変わらない状況ではあったし、スタメンで出ていないやつもいたんで。“出たい、出たい”と思っている選手を使いながらどうなるんかなというのを見たかった」

 笛吹けど踊らず。8回の阿部の同点打は、中堅浅めの当たりだったが、近本の中継に入った山本の本塁送球がわずかに遅れ、ビシエドの生還を許した。今季唯一の勝利を挙げた5日のDeNA戦と同じように西勇が力投し、佐藤輝が一発を放った。投打の軸が仕事をしながらも、抜てきした若虎たちが期待に応えられずに喫した黒星…。また、この夜も試合開始直前に全員でハイタッチの儀式を行って士気も高めていた。動かなくても、動いても抜け出せない「あり地獄」で虎がもがいている。(山添 晴治)

 《15戦1勝は過去2番目の苦境》阪神が逆転負け。開幕からの連敗を9で止めた4月5日DeNA戦の勝利から1分けを挟んで4連敗と2勝目が遠い。開幕15試合時点で1勝どまりは61、82、91年の8試合(9試合目に2勝目)をすでに抜いており、球団ワースト。2リーグ制以降では55年トンボの14試合を抜いて、79年西武の16試合に次ぐ2番目の長さとなった。

 《●か△で6カード連続勝ち越しなし》13日、中日に負けるか引き分ければ開幕から6カード連続勝ち越しなしが確定。これは52年のフランチャイズ制以降では72年の開幕5カード連続(負け越し=2、勝率5割=3)を抜いてチーム最長になる。

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2022年4月13日のニュース