ヤクルト・村上 “ムネロー”だ!「曲打ち」サヨナラ二塁打!腕たたみ内角低めに反応

[ 2022年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―2DeNA ( 2022年4月2日    神宮 )

<ヤ・D>10回、サヨナラ適時打を放った村上は歓喜のジャンプ(撮影・村上 大輔)
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 「ムネロー」襲名!?主砲が「曲打ち」で試合を決めた。ヤクルトは2日のDeNA戦で延長10回、村上宗隆内野手(22)がサヨナラの右翼フェンス直撃二塁打。チームの連敗を4で止めた。同点の延長10回、ボール気味の内角低めの球を巧みに拾った。直前まで得点圏打率・143と苦しんでいた4番が、チームを今季5試合目の神宮で初勝利に導いた。

 生粋の大砲が腕を畳み、必死に食らいついた。2―2の延長10回無死一、二塁。カウント1―2からの4球目だ。村上はピープルズの内角低めのボール気味のカットボールに窮屈なスイングになりながらも、体が開くのを我慢し、コンパクトにヘッドを走らせた。打球は前進守備の外野を越え、右翼フェンスに直撃。2年ぶり3本目の劇打となるサヨナラ二塁打だ。

 「ホッとしています。何とか後ろにつなごうと。何とか勝ちにつながるバッティングをしたいと。気持ちで打ちました」

 膝下へ食い込む軌道に対して普通にスイングすればファウルになる。村上のパワーではなく技術が光り、イチローが見せるような「曲打ち」で試合を決めた。「あのシーンは鮮明に覚えています」と09年WBC決勝で背番号51が中前へ放った決勝打に胸を躍らせた当時は9歳。希代のヒットメーカーと重なるバットコントロールだ。もう少しで柵越えの飛球。「自分の中ではホームラン入るかなと思ったけれど…もうちょっと頑張ってご飯食べます!」と今季神宮初勝利に盛り上がるファンをさらに沸かせた。

 「いつもチャンスで打てずに迷惑をかけていた」。直前まで打率は・208、得点圏では・143と低調だった。「一日一日反省して復習して何が良くて何が悪いかを考える」と試行錯誤する。「3割、40発、100打点」を掲げる今季。オフには先端がくり抜かれ、ヘッドが走りやすい大谷モデルのバットも試した。開幕時には昨年までの青木モデルに戻したが、変化をいとわず進化を求めている。

 主砲の一打で今季初の延長戦を制し、連敗を4で止め、勝率を5割に戻した。「これからもっともっと神宮で勝てるように、チーム全員で頑張りたい」。歓喜のウオーターシャワーを浴びた村上が、神宮のファンに誓った。(青森 正宣)

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