近江・山田「甲子園は短期決戦、体力勝負だと痛感した」魂の594球実らず準優勝

[ 2022年3月31日 15:25 ]

第94回選抜高校野球大会最終日 決勝   近江1―18大阪桐蔭 ( 2022年3月31日    甲子園 )

<近江・大阪桐蔭>初回、大阪桐蔭打線に投げ込む近江・山田(撮影・坂田 高浩)
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 第94回選抜高校野球大会最終日は31日、阪神甲子園球場で決勝が行われ、代替出場校として初めて決勝に進出した近江(滋賀)は1―18で大阪桐蔭(大阪)に敗れ、滋賀県勢として春夏通して初めての優勝はならなかった。

 ここまでの4試合を一人で投げ抜いてきたエース山田がついに力尽きた。初回無死三塁から谷口に右前適時打されて先制点を許すと、2回2死二塁からは前田に右前適時打されて2失点目。ピンチをしのぐたびに雄叫びを上げる気合の投球を見せた右腕だったが、3回無死一塁から松尾に今大会の594球目を左越え2ランを浴びると、自ら申し出てベンチに下がった。

 前日30日の準決勝の浦和学院(埼玉)戦の5回に左足に死球を受けながら、延長11回170球を投げて2失点完投。試合後の診察で、左足関節外果部の打撲症と診断され、この日朝の様子を見て、この日の登板が決まった。準決勝までの4試合で549球を投げ、「1週間500球以内」の球数制限によって、25日の2回戦から1週間で384球を投げている山田がこの日に投げられるのは116球までだった。

 昨夏の甲子園で4強入りしたが、最上級生として臨んだ秋季大会は右ひじ痛で投げられず、近畿大会8強で敗退。フォームを故障しにくいものに変え、成長して甲子園に戻ってきた大黒柱は、降板後は伝令としてチームメートをサポート。試合後は、唇をかみしめながら「甲子園は短期決戦、体力勝負だと思った」と話し、降板について「これ以上チームに迷惑をかけられないので交代した。松尾のところで打たれなくても、ここまでと決めていた。体は大丈夫だけど、ボールにうまく力が伝わらなかった。患部を固定したらできると言って、マウンドに上がらせてもらった。先発が決まったのは今朝。マウンドを守りきれなかったのは悔しいけど、投げたことに悔いはない」と振り返った。大会での収穫については「たくさんありますが、1番は野球ができるのは当たり前じゃないということをあらためて学べたこと。守備のミスから流れをもっていかれたので、もう1度、1から守備を鍛え直して、また夏に甲子園に戻ってきて日本一を取れるように頑張る」と誓っていた。

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