近江・大橋　選抜史上初8番打者がサヨナラ弾「山田のためにも何とかしたかった」

第94回選抜高校野球大会第10日第1試合・準決勝   近江5－2浦和学院 （ 2022年3月30日    甲子園 ）

＜近江・浦和学院＞延長11回1死一、二塁、近江・大橋はサヨナラ3ランを放ち、ガッツポーズ（撮影・坂田　高浩）
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　高く舞い上がった近江・大橋大翔の打球を浜風も後押しした。延長11回1死一、二塁。スライダーをとらえた打球は甲子園の左翼スタンドに飛び込んだ。選抜準決勝では32年ぶりのサヨナラ王手弾。8番打者の劇弾は、選抜史上初だ。山田の170球を受け続けた大橋が試合を決めた。

　「山田のためにも何とかしたかった。すごく気持ちのいいホームランだった。小学校から野球を始めて、柵越えのホームランは初めて。甲子園で打てるなんて…」

　ガッツポーズとともに、ダイヤモンドを一周。ベンチで喜ぶエースの姿を確認した。「山田を一人だけにするな」というベンチの思いをバットにこめた。内気な性格を、主将でもある山田に注意されたことがある。「そのままじゃダメ。もっと自立しないとチームは勝てない」――。意識を変え、小学校時代のスポーツ少年団の朝練習に参加し、バットを振ることを自らに課した。継続が力になった。「あとひとつ。全員で勝ちにいきます」。守りの要は気合を入れた。（鈴木　光）

　《大会通算22本目》近江・大橋が準決勝の浦和学院戦の延長11回にサヨナラ本塁打。選抜のサヨナラ本塁打は2019年に明石商・来田が智弁和歌山戦で記録して以来、通算22本目。準決勝では90年の新田―北陽戦で新田・池田が放って以来、通算5本目（延長戦3本目）。滋賀県勢の甲子園でのサヨナラ本塁打は春夏通じて初。