大阪桐蔭 強すぎ13点!PL超え4度目優勝へ王手、松尾がチーム7発目“春1号”で大会記録にリーチ

[ 2022年3月31日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第10日第2試合・準決勝   大阪桐蔭13-4国学院久我山 ( 2022年3月30日    甲子園 )

<国学院久我山・大阪桐蔭>6回無死一塁、左中間に2点本塁打を放ち、ガッツポーズの大阪桐蔭・松尾(撮影・北條 貴史)
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 準決勝2試合が行われ、近江(滋賀)と大阪桐蔭が決勝に駒を進めた。近江は代替出場から史上初で、県勢初にもなる決勝進出で、大阪桐蔭は3度目の優勝を果たした18年以来4年ぶり。近畿勢同士の決勝は18年の大阪桐蔭―智弁和歌山以来となる。大阪桐蔭は毎回19安打で国学院久我山(東京)に快勝。西谷浩一監督は節目の甲子園通算60勝目を記録した。

 ついに、本領を発揮した。準々決勝までの2試合(不戦勝除く)で1安打だった今秋ドラフト候補、大阪桐蔭の「3番・捕手」松尾汐恩が、6回無死一塁で左越えへ“春1号”の2ランを放った。選抜最多タイ1試合6本塁打が出た準々決勝で出遅れた主砲が84年PL学園のチーム大会最多8本塁打にリーチをかけるチーム7号。西谷浩一監督に節目の通算60勝目を贈った。

 「自分の癖としてトップから入りすぎるので、入れすぎずバットを出すことを意識しました。どの投手がきても対応していくというのが今日、できた」

 2球目の真ん中高め直球を完璧にミート。打球は長い滞空時間の後、左翼席へ消えた。9―0と試合の大勢が決した後でも、決勝へ向けた弾みという意味では大きい一発。チーム最多の4安打で完全に調子を取り戻した。

 規格外のパワーを物語る逸話がある。「2番・右翼」の谷口勇人とともに所属した京田辺ボーイズがよく練習する三重県伊賀市の島ケ原運動広場は、左翼後方に駐車場が広がるが、打撃練習で松尾の番になると保護者たちが慌ただしく動き出す。強烈な飛距離を誇るため、厳戒態勢の“松尾シフト”が敷かれるわけだ。それでも打球が車に当たったことは一度や二度ではない。この日放った打球も大きく弧を描いて左翼席へ。高校入学前から磨いてきた感覚を昇華させた先に、今がある。

 同校4年ぶりの決勝は、昨夏の甲子園大会2回戦で敗れた近江が相手に決まった。松尾自身は山田陽翔から本塁打を放ったが「去年負けた悔しさを持って戦ってきている。リベンジしたい」と闘志。指揮官も「秋と春の山はつながっていると思いますので、春の日本一になって次また大きな夏の山に登りたい」ときっぱり。かつて高校球界に一時代を築いた「PL」を超える、大阪府勢単独最多の4度目V達成を狙う。(北野 将市)

 ◇松尾 汐恩(まつお・しおん)2004年(平16)7月6日生まれ、京都府精華町出身の17歳。川西小1年から野球を始め、精華中では京田辺ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入りし、2年春から3季連続で甲子園出場。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

 【大阪桐蔭の“強すぎる”データ集】
 ☆大阪桐蔭は大会通算7本塁打。チーム大会通算最多本塁打は1984年PL学園(清原3、桑田2、黒木、旗手、鈴木)の8本。

 ☆大阪桐蔭・丸山が1回戦の第4打席から準決勝の第2打席まで大会最長タイの個人最多連続安打8を記録。11年の九州国際大付・高城以来6人目。8打席連続は10年の興南・我如古以来4人目。また大阪桐蔭は準決勝の国学院久我山戦で毎回安打を記録。

 ☆大阪桐蔭・西谷浩一監督は史上2人目の春夏通算60勝に到達。68勝の高嶋仁監督に次いで歴代2位。

 ☆大阪桐蔭は春夏通算9度目の決勝進出。過去8度は全勝(春3、夏5)。大阪桐蔭は昨秋の明治神宮大会でも優勝。優勝すれば02年の報徳学園以来20年ぶり4校目の秋春連続日本一となる。

 ☆大阪桐蔭は選抜通算30勝目。天理と並ぶ10位タイ浮上。春夏通算68勝は単独10位。

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2022年3月31日のニュース