エンゼルス・大谷の進化 ナチュラルにカットする直球 ライブBP初登板からスキなし最速158キロ

[ 2022年3月18日 02:30 ]

フリー打撃に登板した大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が16日(日本時間17日)、今キャンプ初めてライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板。延べ7人に33球を投げ、安打性の当たりをゼロに封じ、直球の最速は98マイル(約158キロ)を計測した。直球はナチュラルにカットボールのような鋭い変化を見せ、打者を圧倒。メジャーで初の開幕投手の大役を目指す右腕が、2022年の進化の一端を見せた。

 大谷が「ウッ」とうなり声を上げながら右腕を振る。今キャンプ初のライブBP。2セット目のメイフィールドへの4球目はファウルとなったが、この日最速の98マイルを計測した。ボール球を1球挟んでの最終6球目。97マイル(約156キロ)直球で空振り三振に斬った。

 昨季は後半戦だけで大谷に次ぐ10本塁打を放ったメイフィールドが大谷の進化を明かした。「最後の直球はカットしていた。その前のボール球になった内角直球は鋭く落ちた」と驚きの表情。捕手を務めたスタッシも「今日の彼の直球はナチュラルにカットしていた」と明かした。33球中、16球がこの直球で空振りは4。打球は外野にすら飛ばなかった。

 大谷は15日に「1年間、ローテーションの一人として投げ抜く」と目標を掲げたが、直球の精度向上が課題の一つだった。これまではバックスピンの利いた奇麗な球筋の直球が持ち味だったが、昨季の被打率は・294。昨季2000球以上を投げた投手87人中、68位と平均以下だった。

 昨季途中に投げ始め、打ち損じを誘うことで球数を抑えることに成功したカットボール。この日の直球は、それより小さい変化ながら時に沈むような軌道も見せた。習得できれば新たな「魔球」となる。昨季は全て先発で23試合、130回1/3を投げ9勝2敗、防御率3・18。メジャーで初の規定投球回(162)到達も視野に入る。快投を見守ったジョー・マドン監督は「スペイン語で言うと“テンプラーノ”(調整が早い)だね」と絶賛した。

 昨季は9勝&46本塁打でア・リーグMVPに輝いた二刀流は、順調ならオープン戦2、3試合の登板を経て「やってみたい」と意気込む4月7日(日本時間8日)の開幕アストロズ戦を迎える見込み。「投手・大谷」は着実に歩を進めている。(柳原 直之)

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2022年3月18日のニュース