阪神・藤浪 青柳コロナ離脱で開幕投手急浮上 「力まないように」18日先発で総仕上げ

[ 2022年3月18日 05:30 ]

キャッチボールで調整する藤浪(撮影・北條 貴史)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(27)が、18日のオリックス戦(京セラドーム)で“開幕リハ”を敢行する。開幕投手に内定していた青柳が戦線離脱を余儀なくされたことによってプランは白紙となり、代役最有力の右腕。ちょうど1週間後の本番と同じマウンドで、吉田正、杉本らを擁する昨年のリーグ覇者を相手に総仕上げのピッチングを披露する。

 取り巻く状況は察している。それでも、藤浪はいつもと変わらぬ冷静な言葉で、次戦をしっかり見据えた。

 「感覚的に自分が納得できるというか、良かったなと思えるような登板にできたら。開幕に向けてもちろん気持ちも入ってきますけど、あまり力まないようにというところと、変化球の精度を高めていければと思います」

 自身にとって開幕前最後の調整マウンドは当初予定の19日から1日前倒しとなった。開幕投手に内定していた青柳が16日に新型コロナウイルス陽性者との濃厚接触の疑いで自主隔離となり、この日、陽性判定。本来のプランは白紙となり、開幕2戦目の先発へ調整してきた右腕が代役の最有力候補に。矢野監督はまだ明言していないものの18日から中6日で開幕戦に向かうのが自然な流れに見える。

 「ちょっと分からなくなりましたけど、表のローテだと京セラになると思うので、そっちに投げる想定で取り組んでいけたら」。開幕戦と2戦目では重圧が違うが、投げるマウンドは変わらない。どこで起用されようが、京セラドームでの“予行演習”という意識だけは見失うことなく腕を振るつもりでいる。

 経緯は違えど、2年連続でのサプライズ大役となる。昨年は大本命の西勇がぜんそくの検査でキャンプ中に離脱したこともあり、初の開幕投手に抜てき。予期せぬ形とはいえ、生え抜きの高卒右腕が2年連続で開幕投手を務めればドラフト制以降では球団初となる。

 「3・25」へ押し出される形でも不安は見当たらない。前回12日の中日戦では5回無安打無失点。4回7安打5失点と精彩を欠いた5日の楽天戦から修正した姿を見せて、首脳陣の信頼も高めた。

 「良いチームなのは間違いはないので、その相手に納得できる投球ができれば、より良い精神状態でシーズンを迎えられる。しっかりいい投球をしたい」。吉田正、杉本ら好打者が名を連ねるオリックス打線を沈黙させ、弾みをつける。

 この日は鳴尾浜での指名練習で最終調整。「言われたところで投げるしかない。京セラだったら京セラで、広島だったら広島で投げられるように、しっかり自分の良い状態をつくっていければ」。スタート地点が変わっても、この1年に懸ける逆襲の炎は燃えたぎったままだ。(遠藤 礼)

 【データ】阪神生え抜きの高卒入団投手で2年以上続けて開幕投手を務めたのは、61~63年の小山正明、69~71年と73~75年の江夏豊、88~89年の仲田幸司、02~06年の井川慶。今季藤浪が務めれば右腕では小山以来で、65年のドラフト制以降では初めてになる。

《コロナ陽性の青柳 初登板は来月以降にずれ込むことが確実》
 阪神は17日、青柳晃洋投手(28)がPCR検査で陽性判定を受けたと発表した。前日16日に新型コロナウイルス陽性者との濃厚接触の疑いが発覚し、自主隔離。同日の検査では陰性も、17日午前の再検査で陽性となった。発熱などの症状はなく今後は医療機関、管轄の保健所の指示に従い対応。内定していた開幕投手はすでに絶望となっていたが、本人が陽性判定を受けたことでチーム合流がさらに遅れることは必至だ。隔離から復帰後の調整期間を考慮すると初登板は来月以降にずれ込むことが確実。昨季、最多勝、勝率第1位の2冠に輝いた先発陣の柱に、開幕直前に試練が訪れた。

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