ヤクルト「高津“育成”工場」3選手を異例1軍キャンプ抜てき 連続日本一へ競争あおる

[ 2022年1月22日 05:30 ]

ヤクルト・高津監督
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 ヤクルトは21日、春季キャンプの1、2軍メンバー振り分けを発表し、小沢怜史投手(23)、丸山翔大投手(23)、赤羽由紘内野手(21)の育成3選手が1軍の沖縄・浦添キャンプスタートとなった。チーム内の競争激化を望む高津臣吾監督(53)が抜てき。球団初の2年連続日本一へ、「高津育成工場」と化してチームの底上げを図る。

 予告通りだった。前日の1、2軍合同スタッフ会議後。高津監督は「競争はあおっていきましょうと(会議で)伝えました。意識させることは大事」と底上げの必要性を訴えていた。1軍キャンプに、球団では異例の育成3選手を抜てきした。

 1人目は20年オフにソフトバンクを戦力外になった小沢だ。古巣では5年間で1軍登板2試合の右腕は、トライアウトを経て加入した昨季、高津監督の現役時代と同じ横手投げに転向。イースタン・リーグでチーム最多の35試合に登板し、一時は抑えも任されて2勝3敗3セーブ、防御率3・63をマークした。

 2年目右腕の丸山翔は、西日本工大では西武のドラフト1位・隅田の1年先輩。野球は大学でやめるつもりで一般企業に内定もしていたが、コロナ禍で4年生のシーズンが不完全燃焼に終わったことでプロの門を叩いた。昨季2軍で経験を積んだ制球力が魅力だ。

 赤羽は同じ右打者の山田に憧れ、内外野をこなす2年目の21歳。俊足でパンチ力も備え、昨秋のフェニックス・リーグでは「1番・遊撃」で出場した。この日、埼玉・戸田で自主トレを行い「はい上がらないといけない立場。チャンスをものにしたい。明るく元気良くアピールしていきたい」と抱負を語った。

 20年ぶりの日本一を昨季達成したものの、主力の座を脅かす戦力の強化は不可欠。高津監督は「いろんな競争があっていい。みんながガツガツして狙っていかないといけない」とハッパを掛けている。新型コロナ対策としてキャンプ中の1、2軍入れ替えは昨年同様、ケガなど不測の事態を除いて行わない方針。若手は腰を据えてアピールできる。

 昨年は近藤が1軍キャンプでアピールして支配下登録を勝ち取り、シーズン序盤のブルペンを支えた。連覇に向け、フレッシュな人材を鍛える。(青森 正宣)

 ◇小沢 怜史(こざわ・れいじ)1998年(平10)3月9日生まれ、静岡県出身の23歳。日大三島から15年ドラフト2位でソフトバンク入団。17年に1軍デビューしたが19年から育成契約。20年限りで退団し、ヤクルトと育成契約を結んだ。1メートル82、83キロ。右投げ左打ち。背番号014。

 ◇丸山 翔大(まるやま・しょうた)1998年(平10)8月22日生まれ、福岡県出身の23歳。小倉工から西日本工大を経て20年育成ドラフト4位でヤクルトに入団。昨季はリリーフとしてイースタン・リーグで15試合に登板し1勝0敗0セーブ、防御率3.06。1メートル92、77キロ。右投げ左打ち。背番号017。

 ◇赤羽 由紘(あかはね・よしひろ)2000年(平12)6月29日生まれ、長野県出身の21歳。日本ウェルネス信州筑北からBC・信濃を経て20年育成ドラフト2位でヤクルト入り。内野も外野もこなす万能選手で、昨季イースタン・リーグで6本塁打。1メートル75、79キロ。右投げ右打ち。背番号023。

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