阪神・秋山で堅首 三塁踏ませず7回零封、セ・トップタイ9勝 快投の裏に12年目の“土台”づくり

[ 2021年8月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー0中日 ( 2021年8月22日    バンテリンD )

<中・神>力投する阪神先発の秋山(撮影・椎名 航)
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 阪神は22日の中日戦に勝利し、連敗を3で止めた。先発した秋山拓巳投手(30)が7回4安打無失点の快投でリーグトップに並ぶ9勝目。3試合連続で先発陣が崩れていた悪い流れを、開幕からローテーションを守る生え抜きの12年目右腕が見事に断ち、首位陥落の危機も救った。

 「柱」としての真価を問われるマウンドで、秋山が力を見せつけた。三塁を踏ませず7回無失点。昨季は2戦2敗だったバンテリンドームで17年8月18日以来の勝ち星もあげ、後半戦は計12回を無失点。抜群の安定感だ。

 「(連敗の)こういう状況で回ってきた。僕が(連敗を)止めたら、かっこいいなと思って試合に挑んだ」

 気合は空転することなく、快投につながった。立ち上がりから変化球を低めに集め、中日打線に強振させなかった。前回登板で使えなかったというカーブも交え、決め球にはフォークも駆使。7回2死一塁では5月13日の対戦で本塁打を含む2安打されていた木下拓を外角低めの直球で見逃し三振。かみしめるようなガッツポーズで感情を表出した。

 「カットボールを有効に使えたのでうまく組み立ててできました。(フォークは)大事なところで空振りを取ることもできた。僕の一つの武器なんで消さないようにというのは考えながら投げた」

 直近3連敗は、早い段階で崩れた先発投手にすべて黒星が付いたもの。開幕からローテーションを守り、投手陣の中心を担う自覚十分の右腕には期する思いがあったはずだ。

 「助け合いですけど、こういうこともある。先発の中でもカバーし合いながらやることが1年間大事になってくる。今日はそれができて良かった」

 今春キャンプから取り組み始めた体幹強化と故障防止のためのアーリーワークはシーズン中も継続している。「今までボールを触る練習は人よりも多くやってきたつもりですけど、今年からボールを投げるためのトレーニング、体のケアをしっかりやろうと。長く現役を続けたいですし、チームの中でも生き残っていけないので」。自覚と危機感入り交じる“土台”が12年目右腕を支えている。

 リーグトップに並ぶ9勝目で2年連続の2桁勝利にも王手。一つの目標が見えてきても視線は別のところにある。「まだまだ登板数がある中で、そこで止まらないように。満足するんじゃなく、ここからは一試合一試合、自分の仕事をまっとうしたい」。「柱」を体現しながら頂点を目指す。(遠藤 礼)

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