福島敦彦氏 明徳義塾の“ボディーブロー” 簡単ではない対策を見事に遂行し、風間投手を攻略した

[ 2021年8月23日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会2回戦   明徳義塾8-2ノースアジア大明桜 ( 2021年8月22日    甲子園 )

<ノースアジア大明桜・明徳義塾>5回1死、明徳義塾・米崎に中越え三塁打を浴びるノースアジア大明桜・風間(撮影・平嶋 理子)
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 【福島敦彦の迫球甲子園】明徳義塾の馬淵監督にとっては思い描いた通りの風間君攻略だっただろう。後半勝負と踏んで、前半でいかに球数を投げさせるかと同時に、選手が速球に目を慣らす――。加えて、塁に出れば、積極的に動いて投球に集中させない。小さなことの積み重ねが結果的にはボディーブローのように効いた。風間君から放った6安打中5本は直球を捉えたもの。5回の米崎君は高めに力負けせず中越え三塁打にし、森松君は内角を完璧に仕留め右前適時打とした。

 速球を武器にする本格派攻略の基本だが、遂行するのは簡単ではない。日頃の練習のたまものであり、この日は通常よりも短くバットを持ち、早めの始動を心掛けるなど工夫し、厳しいコースの球には必死に食らいついてファウルで逃げるなど簡単にはアウトにならないという姿勢がしっかりとみられた。

 守りでも、捕手・加藤君の送球ミスこそあったが3併殺を奪うなど堅実な守備が光った。攻守における「球際の強さ」の勝利だった。(報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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