さすが熱男!!ソフトバンク・松田 プロ16年目で初の代打決勝打 指揮官最敬礼「また盛り上げて」

[ 2021年8月23日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク4-2ロッテ ( 2021年8月22日    ペイペイD )

<ソ・ロ>8回2死一、二塁、代打・松田は勝ち越し2点適時二塁打を放ち吠える(右はハーマン)(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの松田宣浩内野手(38)が22日、ロッテ戦で自身初となる代打決勝打を放った。前日は5―5から、前々日は2―2から9回に勝ち越されて連敗を喫していた鷹。この日も2―2の同点で迎えた8回、ベテランの一振りが左越えの2点適時打となり、重い空気を一掃した。チームはロッテ戦の連敗も4で止め、首位オリックスとのゲーム差を4・5に縮めた。

 熱すぎる一打だった。2―2の8回2死一、二塁。甲斐の代打で登場した松田に迷いはない。甲斐からは「マッチさん任せた」と声を掛けられた。ハーマンの初球カットボールを捉え、左越え2点適時打。プロ16年目で“熱男”史上初の代打決勝打だ。走りだすと「オラー!」と声を上げ、ベンチの外で跳びはねるナインに満面の笑みでガッツポーズを送った。4試合ぶりのスタメン落ちに、内心は燃えていた。

 「与えられたところでやるだけ。チャンスで打席が回ってきたので、とにかく自分の打球を前に飛ばそうと思った。甘い球をどんどんスイングしていく自分らしい打席になった」。09年9月15日のオリックス戦以来、12年ぶりの代打での適時打だった。

 4回から6回まで勝ち越しの走者を得点圏に進めたが、あと1本が出ない展開で、重苦しい空気を振り払った。野球の鉄則の一つとされる「代打の初球」。ファーストストライク狙いが、最も打率が高いとされる理論に、ベテランの経験を重ね合わせた。

 「今の野球はスピードが速くなっている。1打席に1球甘い球が来るか来ないかという時代。スイングをかけて、打てるかどうかの勝負がしたい」

 打率・233で終わった前半戦を顧みて、スイングを改良した。野球ノートを見返してヒントを得た。「若い頃にやっていた」というボールの半分より下を打ち、真上に打球を上げるティー打撃を取り入れた。「凡打しても打っても良い形になるいい練習法なので継続していきたい」。スイングに迷いはなくなった。

 工藤監督は「よく初球から打っていけた。これからにつながるし、またお祭り男として盛り上げてもらえたら」と復調に期待した。ロッテ戦の連敗を4で止め、チームの連敗も2でストップ。「まだ諦めている人は誰もいないし、上を目指してやっていきたい」と松田。首位・オリックスとは4・5ゲーム差。お祭り男が反撃の炎を燃やす。(福井 亮太)

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