激痛のち激弾! ソフトバンク・柳田が決勝23号 自打球には「もう野球できないと思った」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3ー0日本ハム ( 2021年8月13日    ペイペイD )

<ソ・日15>初回、自打球を当て治療のためベンチに戻る柳田(右から3人目)(撮影・岡田 丈靖)
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 これぞ金メダリスト!プロ野球が13日、再開し、ソフトバンクの柳田悠岐外野手(32)は日本ハム戦の初回に左越え決勝2ランを放った。東京五輪でフル出場し侍ジャパンを世界一に導いた大砲が、リーグ戦再開初戦で侍戦士最速の凱旋弾。リーグトップ独走の23号だ。チームも白星の再スタートで貯金を1とした。先発の石川柊太投手(29)は7回1/3を1安打無失点の好投で4勝目を挙げた。

 激痛からの歓喜が、柳田のリーグ再開1打席目の中にあった。 
 「まだ痛いっすよ。もう野球できないと思ったけど時間が立てばできたし根性でやりました。マグレ。たまたまですよ」

 球場の全員が一瞬、ヒヤリとした。初回1死一塁で加藤の3球目、シュートを強振。右膝に打球が直撃した。苦悶(くもん)の表情を浮かべ、その場に倒れ、スタッフ2人に肩を抱えられベンチへ。数分後、柳田は打席に戻り、4球目の外角直球を左翼テラス席へ運んだ。スタンドイン確認後は、思わず笑って右腕を突き上げていた。リーグトップ独走の23号2ランだ。

 東京五輪では全5試合にフル出場し20打数5安打(打率・250)2打点、0本塁打。世界一に貢献したが、うっぷんもあった。「オリンピックでホームラン打てなかったんで、ストックがたまっていました。芯でしたね」。侍ジャパンの野手で、リーグ再開後の最速アーチとなった。

 3回2死でも右前打を放ち、2安打2打点で7回守備から交代した。「あの状態で行って、よく我慢して打った。さすがというか、いい勢いになった」。工藤監督は金メダリストとなり、頼もしさも増した主砲を称えつつも、試合後に治療に向かった柳田を気遣った。

 「(自打球の)場所が気になるので明日、確認してからになるが、投げて、打って、守って、良くやったと思います」

 工藤監督就任後、オールスターの中断後に始まる後半戦で白星発進した15年と17年は、どちらもリーグ制覇につなげている。今年も五輪中断後で白星発進だ。吉兆かもしれない。主砲の活躍で貯金1。幸先良く、反撃を開始した。(井上 満夫)

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