大谷 “世紀の対決”ゲレロ斬り7勝目 15発以上の本塁打トップと2位の投打対決はメジャー初

[ 2021年8月14日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6-3ブルージェイズ ( 2021年8月12日    アナハイム )

<エンゼルス・ブルージェイズ>4回無死二塁、ゲレロを三振に仕留める大谷(撮影・沢田 明徳)
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 投げる本塁打キングの勝ちだ。メジャートップの38本塁打をマークしているエンゼルスの大谷翔平投手(27)が12日(日本時間13日)、ブルージェイズ戦に「1番・投手」で出場。6回3安打2失点で今季7勝目を挙げた。大谷に3本差の同2位35本塁打で、MVP争いのライバルでもあるウラジーミル・ゲレロ内野手(22)との直接対決は2打数1安打、1四球。注目の初対決で二刀流が、一発を許すことはなかった。

 大いに意識した。「球数的に僕の最後のイニングになる感じだった」。6回、ゲレロとこの日3度目の対決は力が入った。カウント2―2からの5球目。踏み込んでからグッと引き寄せた左足が空回りして、マウンドに倒れ込んだ。外角スライダーをファウルしたゲレロも、思わず苦笑いを浮かべた。

 「おそらく一番、いい打者。最終的に1個、四球を出してしまったけど、いい球は多かったのかなと個人的には思っている。凄い楽しかったというのが印象的かなと思います」。6球目。この日最速の98.7マイル(約159キロ)直球は、引っかけて外角低めへのボール。最後は98マイル(約158キロ)が外角高めに抜けて四球となった。それでも、本塁打王のみならずMVPを争う2人の歴史的初対決に、大谷自身どこかうれしそうだった。

 15本塁打以上の本塁打トップと2位の選手が、投打で直接対決するのはメジャー史上初だった。初回2死からはカットボールを捉えられ左前打も、4回無死二塁はスライダーで空振り三振。ブ軍のチャーリー・モントーヨ監督も「ゲレロは今、ちょっと苦しんでいるから本来の彼ではない。でもMVP争いしている2人が戦うのは見ていて楽しかった」と3打席、13球の対決を振り返った。

 「メカニック含めてあまりいい動きでなかった」という大谷は、結局6回3安打2失点。5試合連続クオリティースタート(6回以上で自責点3以下)、自身6連勝の7勝目だ。1回持たずKOされた6月30日のヤンキース戦以来の「1番・投手」。1番で先発した選手が白星を挙げるのは、1918年8月19日のチャーリー・ジェイミーソン(フィラデルフィア・アスレチックス)以来103年ぶり。だが、このときは「1番・右翼」で救援登板での勝利だった。

 打っては初回に左中間二塁打し、3戦連続安打。ブ軍4連戦は大谷が13打数3安打(1本塁打)2打点&1勝、ゲレロは15打数2安打1打点だった。「翔平は自分がしていることを本当に楽しんでいる。我々も見習わないといけない」とジョー・マドン監督。世紀のマッチアップの第一章は、二刀流が存在感を示した。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽MLBの本塁打1、2位の投打対決 MLBで本塁打1、2位選手(2本塁打以上)の投打直接対決は過去2度。1918年7月5日に11本塁打のレッドソックスのベーブ・ルース投手がアスレチックス戦で、同9本だったティリー・ウォーカーと対戦。9回に代打出場したウォーカーが右翼へ二塁打を放った。ルースはこの試合「4番・投手」で出場し、延長10回7安打3失点で5勝目を挙げた。2度目は今年5月19日、14本塁打だった大谷が「2番・投手」で先発したインディアンス戦で、12本塁打だったホセ・ラミレスと対戦。二安、遊飛だった。 

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