阪神・佐藤輝 低めの誘い球もう大丈夫!! フルスイング貫く進化の猛打賞「これからもやっていきたい」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー9広島 ( 2021年8月13日    京セラD )

<神・広(11)>9回、佐藤輝は左翼線に2点適時二塁打を放つ(撮影・後藤 大輝)
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 進化の跡を見せつけた。「5番・右翼」で先発の阪神・佐藤輝が、適時打を含む3安打2打点。チーム唯一のマルチ安打と気を吐いた。

 「自分の打撃としてはいい感じでヒットが出たと思います」

 後半戦初安打は、5回の第2打席だった。大瀬良のカットボールを振り抜いた打球は、鋭い放物線を描きながら左中間フェンスに直撃。豪快な打撃で場内を沸かせると、7回には外角低めに落ちる変化球を拾い上げて中前打した。最後は9回無死一、二塁でフランスアの外角低め150キロ直球に反応し、左翼線への2点適時二塁打。大敗ムード漂う中で、一矢報いた。

 「何とか食らいついてヒットが出ているんで、そこはいいことかなと。しっかり振っていって、その中で結果を出すことが大事だと思うんで、これからもやっていきたい」

 3安打はいずれも2ストライクまで追い込まれてからのもので、前半戦は苦しめられた低めの誘い球をしっかりと見極めた。特筆すべきは当てるだけの打撃ではなく、フルスイングを貫けたこと。「当てにいってヒットを打てる技術があればいいんですけど。そこは自分の実力不足なんで、改善していければ」。中断期間で自らの打撃を見つめ直し、快音を奏でた。

 2回1死の1打席目は、2ボール2ストライクから初対戦の大瀬良が投じた外角へのカットボールに手が出ず、通算11度目の見逃し三振を喫した。これがシーズン通算122個目の三振で、並んでいた99年福留(中日)を抜いて新人歴代最多。これもまたフルスイングを貫いた結果であり、強打者の勲章とも言えるだろう。

 矢野監督からは「追い込まれてもああやってボール球を見逃すとか、コンパクトに振ってヒットにしていくとか。そういうところがここからの課題だし、伸びしろ」と称された。大砲の成長の伸びしろは、無限大にある。(阪井 日向)

 《新人最多122三振》佐藤輝(神)は2回の見逃し三振でシーズン122個目の三振を記録。新人選手では99年福留(中)の121三振を抜いて最多となった。シーズン143試合で205三振ペースとなり、93年ブライアント(近鉄)のプロ野球記録204三振を1個上回る。

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