阪神・大山　左翼席上段へ躍進の予感11号　これぞ4番の仕事「しっかり仕留めることできた」

セ・リーグ   阪神3ー9広島 （ 2021年8月13日    京セラD ）

＜神・広（11）＞5回、大山は左越えに本塁打を放つ（撮影・奥　調）
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　チームの敗戦に笑顔はない。だが、後半戦の躍進を予感させるには、十分な一撃だった。5点劣勢の5回先頭。阪神・大山が大瀬良の初球を捉えると、白球はあっという間に左翼席上段へ突き刺さった。

　「打ったのはストレート。高めのボールでしたが、いい形で打つことができましたし、しっかり仕留めることができました」

　序盤から打線は大瀬良に無安打と封じ込まれていただけに、4番の意地を示す一発でもあった。2回の第1打席は左飛に倒れるも、フェンス手前まで運び、大瀬良とタイミングは合っていた。同じ失敗は繰り返さない――。第2打席では高めに浮いてきた直球を1球で仕留めた。

　後半戦初戦の円陣では声出しを任された。「目の前の1試合これを全力で戦って、最後笑って終われるように全員で頑張りましょう」。大敗の中、自身は幸先よいスタートを切ることができた。

　「一度しっかりリセットすることができましたし、エキシビションに入ってからは試合の中で自分のやりたいこと、やるべきことにしっかり取り組むことができました」

　前半戦は背中の張りで離脱するなど、打率・245に沈んだ。中断期間でツイスト打法に取り組むと、エキシビションマッチは11試合で打率・361をマーク。確かな手応えが、結果につながった。

　矢野監督からは「バッティングの状態自体は良くなってきているんで、楽しみにしています」と大きな期待を寄せられた。大山の強打なくして、頂点はない。揺るがぬ決意を胸に秘め、チームをけん引していく。（長谷川　凡記）