巨人・坂本、後半戦開幕3の3!さすがの金侍「世界一のつなぎ」で首位・阪神に1差

[ 2021年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4―2中日 ( 2021年8月13日    東京D )

<巨・中>3回2死、坂本が左前打を放つ(撮影・村上 大輔)
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 世界一のつなぎ役だ。プロ野球は13日、東京五輪開催に伴う公式戦中断期間を終え、後半戦がスタート。巨人は中日に逆転勝ちし、首位・阪神に1ゲーム差に迫った。東京五輪で金メダルを獲得した坂本勇人内野手(32)は侍ジャパンと同じ「2番・遊撃」で出場し、歴代9位タイとなる169度目の猛打賞で勝利に貢献。巨人は14日も勝ち、阪神が広島に敗れれば4月1日以来の首位を奪回する。

 逆転優勝へ、やるべき「形」をチームに示した。侍ジャパンを金メダルに導いた「世界一のつなぎ」。坂本は東京五輪でも定位置だった「2番・遊撃」で3安打1四球と全打席で出塁し、逆転勝利をもたらした。

 悲願成就へ日の丸を背負って戦うアスリートの仲間から刺激を受けた。決勝前夜、新種目の空手男子・形をテレビ観戦。金メダルを獲得した喜友名諒の堂々たる演武に「格好良かった」と勇気をもらった。五輪開幕当初にもこう言った。「いろいろな競技を見ながら感じるものはある。ここに懸けてきたんだなとか。特に個人(種目)の人は凄く見ていて感じるものがある」。空手界の絶対王者で金メダル筆頭候補という重圧をはね返した喜友名に、金メダル獲得が使命だった侍ジャパンを重ね合わせた。

 全5試合にフル出場し、打率・333、1本塁打、4打点。送りバントもした。チームの勝利に徹し「僕の野球人生の中で新しくできた目標の一つ」と強い思いを口にしてきた金メダルを獲得。ベストナインにも輝いた。「一つのプレー、一つのボールに対して熱くなれるように。そういう部分は常に持っておかないといけない」。五輪で感じた思いを後半戦初戦で体現した。

 つなぐ姿勢をとにかく見せた。初回は追い込まれながらも左前に運び、無死一塁から好機拡大。丸の先制打をお膳立てした。同点に追いついた8回も1―2と追い込まれてから際どいボール球を3球続けて見極めて四球を選び、岡本和の勝ち越し打で決勝のホームを踏んだ。仮想の敵に技を繰り出し、勝ちを想像させる空手の形のように「野球はこう勝つ」という形を見せた。

 自らの凱旋試合を祝う猛打賞。侍ジャパンのリーダーとして世界一に輝いた主将の次なる目標は「セ界一」だ。首位・阪神に1ゲーム差。「チームが勝てたことが何よりも良かったです。その中で、いい仕事ができてよかった」。勝ち方を知る32歳が3連覇へと導く。(小野寺 大)

 《歴代9位タイ通算169度目猛打賞》坂本(巨)が7月10日の阪神戦以来、今季6度目の。で広瀬叔功(南海)に並ぶ歴代9位タイとなった。セでは歴代4位で、3位の王貞治(巨)の171度にあと2度と迫っている。

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