オリ宮城 大谷超えの10勝一番乗り!高卒2年目まででは桑田以来「偉大な方と名前が挙がりうれしい」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス6ー3ロッテ ( 2021年8月13日    ZOZOマリン )

<ロ・オ14>6回2死二塁、粘る角中から三振を奪いガッツポーズの宮城(撮影・長久保 豊)
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 場慣れ感が半端ない。4回に犠飛で1点を失ったオリックス・宮城は足元から見つめ直した。ベンチに戻ると、泥で重くなったスパイクを脱ぎ捨てた。つま先部分に3本、かかと付近に2本の計5本歯の試合用スパイクから6本歯の練習用に履き替えた。違和感より感覚を優先したのは高卒2年目とは思えぬ嗅覚だった。

 「型も歯の本数も全然違うスパイクですが、雨で土がついて重くなっていたので、良い投球をするために、その手も必要かなって」

 強風で知られる初めての敵地。降りしきる雨で、ぬかるんだマウンド。悪条件が重なっても適応した。6回、連打で2点目を失い、なおも無死二塁でギアを上げた。レアードを左飛、エチェバリアを投ゴロ。最後は角中をこの日最速の148キロ直球で空振り三振に仕留め、グラブをバシッと叩いた。

 6回を6安打2失点で両リーグ10勝一番乗り。高卒2年目までの10勝一番乗りは87年桑田真澄(巨人)以来、34年ぶりだ。エンゼルス・大谷は日本ハム時代の15年に3年目で到達。現在メジャーを席巻する右腕でさえ成し得なかった快挙だ。

 「(桑田さんのような)偉大な方と名前が一緒に挙がることはうれしいです。大谷さんは世界中で大スターで最強。打者、投手、走塁全て、何でもできる方が達成したことを自分が早めにできたことはうれしいです」

 後半戦を白星発進。25年ぶりの悲願へ勢いを加速させる快投に、中嶋監督からも「初めての球場、雨、後半戦の開幕投手という緊張感もあったと思うが、つくってくれて。いいスタートが切れた」と称えられた。19歳左腕の存在感が凄まじい。(湯澤 涼)

 ○…高卒2年目の宮城(オ)がセ、パ通じ最速で今季10勝目を挙げた。オリックス投手の両リーグ10勝一番乗りは14年の西(現阪神)以来8人目で11度目。左腕では91年星野伸之以来だ。また、高卒2年目以内に両リーグ10勝一番乗りは、87年桑田真澄(巨=2年目)以来史上6人目。球団では阪急時代の54年に新人左腕の梶本隆夫が記録して以来67年ぶりとなった。

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